2001 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校における「学校設定教科・科目」設置の意図・成果・課題に関する実証的研究
Project/Area Number |
13610276
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
飯田 浩之 筑波大学, 教育学系, 助教授 (40159562)
|
Keywords | 学校設定教科 / 学校設定科目 / 高等学校 / 教育課程 / 高校改革 / 特色ある学校づくり / カリキュラム開発 / 学習指導要領 |
Research Abstract |
本年度(研究初年度)は,研究対象である「学校設定教科」及び「学校設定科目」(学校設定教科・科目)について,主として,1)その高校教育課程上の位置づけについて,2)高等学校とその改革の文脈における位置づけについて明らかにするとともに,それをもとに,3)調査研究の視点を先行研究をオーバービューしつつ明確化し,その枠組みを構築することを行った。また,同時に,実証的研究の準備に着手すべく基礎データの整理を行った。その概要と成果は以下の通り。1)「学校設定教科・科目」をその前身である「その他の教科・科目」からの変化を含めて追跡すると,これが高校教育課程上,積極的な位置づけを占め始めるのは1978年の教育課程改訂以降のことであり,その位置づけの変化は,「専門教育を主とする学科」の特色化のためのものから「普通教育を主とする学科」を含む高校教育全般の特色化のためのものへと拡大してきている。さらには,それが「学校設定教科・科目」とされることで,学校を単位とする特色化のためのものへと質的変化を遂げている。2)「学校設定教科・科目」は,「特色ある学校づくり」の観点からみた場合,教育課程の内容的な特色化の問題に止まらず,生徒の科目選択との関係で,カリキュラムの形式上の問題としてもみることが可能である。その「実施の過程」に焦点を当てた場合には,「その他の教科・科目」以来の視点として設置者と各学校との関係が問われるのみならず,学校内においては各教科組織間の関係として,また,カリキュラムの開発と決定,さらには経営の意志決定過程,資源調達過程の問題としてみることも可能である。3)要求される調査研究の視点は,この拡大の現状を構造的に把握することと,実施校における現状をもとにカリキュラムの構造上の位置づけと経営組織上の位置づけを明確化し,その可能性を探ることにあること。
|