2002 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校における「学校設定教科・科目」設置の意図・成果・課題に関する実証的研究
Project/Area Number |
13610276
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
飯田 浩之 筑波大学, 教育学系, 助教授 (40159562)
|
Keywords | 学校設定教科 / 学校設定科目 / 高等学校 / 教育課程 / 高校改革 / 特色ある学校づぐり / カリキュラム開発 / 学習指導要領 |
Research Abstract |
本年度は,研究の課題に実証的にアプローチすべく,2つの機関調査を実施した。第一は,都道府県・政令指定都市教育委員会に対する調査である(42都道府県,9政令指定都市が回答)。この調査では,各学校から教育委員会に届け出られている教科・科目を把握することで,「学校設定教科・科目」設置の意図をマクロな視点から探求した。また,教育委員会が規定している届出の様式や項目を調べることで,この教科・科目に対する教育委員会の指導の在り方を探求した。第二の調査は,「学校設定教科・科目」を設置している学校に対する調査である(19都道府県,5政令指定都市の488校を抽出/有効回答校数302校)。この調査では,「学校設定教科・科目」設置の意図・成果・課題を学校・学科のレベルにおいて探求した。さらに本年度は,昨年度明らかにした「学校設定教科・科目」の教育課程政策上の位置づけを踏まえつつ,調査で行った実態把握を中心に研究成果の取りまとめを行った。その成果を学校調査の単純集計結果に基づき略述すると,以下の通りである。(1)学校設定教科・科目は,その内容が多様であると同時に,設置のねらい・意図も学校・学科の特性を反映して多様である。(2)そうしたなか,比較的,共通するねらいは,「生徒に幅広い視野や教養を身につけさせること」に置かれている。(3)教育課程上の位置づけについては,当該の学科の教育課程を「発展・展開」させる場合,その「中核」に据える場合,さらにそれを「補充・補完」する場合とにほぼ3分される。(4)成果に関しては,総合すると7〜8割の学校が肯定的な評価を下している。特に,生徒の授業への積極的な取り組みを認める学校が多くなっている。(8)課題としては,担当する教員の確保やテキストの選定の難しさを指摘する学校が多くなっている。なお,本研究に関しては,今後,上記の実態把握を超えて,結果の構造的分析を予定している。
|
Research Products
(1 results)