2001 Fiscal Year Annual Research Report
社会変動と教育実践・教育学構造に関する社会史的研究―総力戦体制期の社会と教育―
Project/Area Number |
13610286
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
木村 元 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (60225050)
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Keywords | 社会変動 / 教育実践 / 教育学 / 自由教育論争 / 教育の世紀 / 大中弥三郎 / 野口援太郎 / 教育目標-評価 |
Research Abstract |
本年は、I:教育研究と実践を巡る新しい枠組みとそれを巡る論争の整理と検討、II : Iを規定する社会(人口)動態の検討を二つの研究柱とし、以下のような検討を行った。 Iでは、自由教育論争と部分的に国民学校論争ならびに生活教育論争を1)論争の場の検討、2)論争の当事者の検討、3)論争の教育評価-目標論からの検討という軸をもうけて検討した。さらに教育実践・教育学の形成過程に関する諸資料の収集を行った。その結果主として以下の成果を示した。(1)自由主義教育学と無政府主義教育の論争の整理を1920年代に遡り、その成果を論文に発表した。(2)新興教育運動の資料調査に基づく口頭発表を行った。他の論争ならびに資料収集については継続となる。(3)生活教育論争について、生活構造論との関係でその社会的基盤を試論的に押さえる作業を展開した。その結果については原稿化の予定にある。その過程で、教育科学論への展開を社会構造の変化を押さえながら生活認識の独自な回路を経て企画的な志向を獲得していく道筋を明らかにするという課題を得た。 IIついては、人口間題研究所関連資料(『人口間題』『人口問題資料』等)、総理府統計局図書館資料(『人口関係文献並びに資料解題』参考)等を参考として、資料収集と検討会をおこない。メディア状況、農村、都市それぞれのの変動と若年労働者問題の形成、進路動向などに関する資料の収集と基礎的な検討を行った。 加えて60年代の社会移動との比較を行うための研究の整理、なかでも進路問題や集団就職間題を扱った文献の収集・検討を並行して行った。
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Research Products
(1 results)