2001 Fiscal Year Annual Research Report
マス化高等教育機関の文化配信機能に関する日米比較研究
Project/Area Number |
13610300
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山口 健二 岡山大学, 教育学部, 助教授 (90273424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 恵示 岡山大学, 教育学部, 助教授 (70239028)
赤木 里香子 岡山大学, 教育学部, 助教授 (40211693)
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Keywords | 高等教育のマス化・ユニバーサル化 / 生涯教育 / 文化配信と文化消費 / 文化社会学 / 芸術社会学 / スポーツ社会学 |
Research Abstract |
トロウは進学率50%を区切りとして高等教育がマス型からユニバーサル型へ移行すると見た。本研究は文化配信機能の強化という視点から、高等教育機関の組織変容の過程を日米比較するものである。われわれには高等教育機関は地域社会に対し直接的に人文・芸術・スポーツ等の文化サービスを配信する機関となるとの仮説がある。アメリカでは事実そうなっているし、日本でも先駆的な機関は確実にその方向を目指している。計画初年度の本年は下記の三点にわたり基礎調査を実施した。 (1)国内芸術系高等教育機関の動向調査 芸術分野における市民サービスの先進的試みで知られるよっつの高等教育機関(私立A大学・公立B大・公立C短大・私立D大)をケーススタディした。"脱18才人口経営"、すなわち生涯学習機関化を見すえた運営方針・将来計画が顕著であった。。 (2)地方自治体スポーツ振興担当課の動向調査 生涯学習化社会に向けたスポーツ振興のあり方、地域高等教育機関との役割分担の必要性等について、地方自治体としての基礎的方向性を確認する調査を試みた(目下、継続中)。 (3)ロサンゼルスの高等教育機関・社会教育機関の動向調査 文化配信機関化の先進事例であるアメリカ高等教育機関の目下の動向を確認するため、UCLAの芸術系各部局付属の美術館、博物館等と、ロサンゼルスカウンティ美術館、現代美術館等について情報・資料収集した。大学美術館の場合は芸術教育者、一般美術館の場合は一般市民および子どもといった形で、教育・啓蒙機能を分業化が見られた。 本年度は研究発表を行っていない。来年度には本年度の調査蓄積をふまえ、国際学会での発表を含めた成果発表を予定している。
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