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2003 Fiscal Year Annual Research Report

タイ北部におけるユーミエン(ヤオ)族の核家族化と祭祀・儀礼知識の変化に関する研究

Research Project

Project/Area Number 13610355
Research InstitutionTokyo Gakugei University

Principal Investigator

吉野 晃  東京学芸大学, 教育学部・第一部地域研究学科, 教授 (60230786)

Keywords核家族化 / ユーミエン / ヤオ / 父系合同家族 / 祖先祭祀 / 漢字教育 / 儀礼統合の中核世帯 / 廟祭祀
Research Abstract

平成15年度には数か村において、ユーミエンの社会=文化的変化に関する基礎的なデータの収集を行い、核家族化の動向、あらたな祭祀活動の概況、文化復興運動について主に調査した。今年度は、昨年度から引き続き、個々の家族歴を聴取した。その結果、昨年度に判明した数十年に及ぶ居住の早期化傾向を改めて確認し、また、父系合同家族を試行するイデオロギーは、以前(約三十年前)にも儀礼的な規範の裏付けはなかったことが判明した。以前の父系合同家族構成は、儀礼的な規定によるものというよりも、生業などの条件下に生じた歴史的形態であると言える。昨年度報告したように、父系合同家族から父系関係にある核家族世帯の緩やかな儀礼的統合に移行しているが、その緩やかな統合の中核となる世帯が儀礼的規範の許に設定されていることが分かった。
祭祀活動に関する調査では、ある村では、ユーミエンの従来の祭祀形態と異り、宗教施設を伴う祭祀活動(廟祭祀)が始まっていることを確認し、その儀礼を記録した。ここでは、一般的な祖先祭祀ではなく、救世神的な神格に対する自発的信者が祭祀活動を行っている点が新たな側面である。また、祭司の減少が、多くの村で危機意識の許に認識されている。そうした反応の一つとして、若い世代に対する漢字教育を行っている村がいくつかあり、それらの様態も調査した。これらの試みは必ずしも大きな成果を挙げているとは言い難いが、20〜30歳台の若い世代で祭司となった者がいる村もある。またNGOが支援して漢字教育を行った村もある。さらに、NGOとユーミエンの団体とが共同で青少年に「伝統文化」を教えるセミナーなどもある。このセミナーのテキストや儀礼文書の編集出版も行われており、「伝統文化」を指向する文化復興運動的な動きが強くなってきていることが確認された。

Research Products

(1 results)

All Other

All Publications

  • [Publications] 長谷川清, 塚田誠之(編), 吉野晃ほか14名の共著: "中国における民族表象の人類学・歴史学的研究-南部を中心とした整理と分析(仮題)"(未定 決定原稿「中国からの連続性とタイにおける示差-タイにおけるユーミエン(ヤオ)の自民族表象-」(吉野晃)は2003年7月に提出済み。編集・出版交渉中). (2004)

URL: 

Published: 2005-04-17   Modified: 2016-04-21  

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