• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2004 Fiscal Year Annual Research Report

タイ北部におけるユーミエン(ヤオ)族の核家族化と祭祀・儀礼知識の変化に関する研究

Research Project

Project/Area Number 13610355
Research InstitutionTokyo Gakugei University

Principal Investigator

吉野 晃  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60230786)

Keywords核家族化 / 父系合同家族 / 祖先祭祀 / 出稼ぎ / 儀礼的紐帯
Research Abstract

平成16年度には、パヤオ、ナーン、チエンラーイの各県において、これまでの調査を補充するデータを収集した。
前年度報告した複数家族の儀礼的統合については、更に多くの事例を聞き取り、農暦七月の祖先祭祀儀礼の際に実際の儀礼活動についても聴取した。祭壇を持たない家も増えてきている。核家族化は主に経済的な要因によるものであり、儀礼的な活動については依然として父系合同家族的な紐帯を維持している。これは、従来からあった、兄弟の中で何れかの家がその世代の儀礼的リーダーとなる制度(「根主」という)を拡張したものであって、新たな組織の生成とは異なる性格を持っていることがわかった。また、親の家を中心として子供たちの核家族が儀礼的に連合する要因の一つとして、祭祀・儀礼知識の世代間伝承が弱体化し、祭司・儀礼知識の分布が以前よりも年長世代に偏る傾向があることが挙げられる。
核家族化に伴って、夫婦乃至核家族単位での出稼ぎも増えており、その長期化から挙家離村に結びつく事例も増加している。これはこの数年の間に顕著になってきた傾向である。しかし、一方で、農暦正月や七月の祖先祭祀の機会には親元に帰るといった行動も依然として続いている。また、子供の養育を祖父母に任せて夫婦で出稼ぎに出るパターンも多く見られる。これも、経済的には分化しながら一方で合同家族的紐帯が維持されている事例である。
このように、祖先祭祀を中心とした父系的な紐帯の維持と、経済的な核家族分化といった矛盾を、現在のユーミエン家族は抱えているのである。

Research Products

(3 results)

All 2005

All Journal Article Book

  • [Journal Article] タイ北部山地民ユーミエンのピャオ(家)2005

    • Author(s)
      吉野 晃
    • Journal Title

      アジア遊学 No.74

      Pages: 95-104

  • [Book] 中国の民族表象-南部諸地域の人類学・歴史学的研究-(吉野晃「中国からの連続性とタイにおける示差-タイにおけるユーミエン(ヤオ)の自民族表象-」)2005

    • Author(s)
      塚田誠之, 長谷川清(編)(吉野晃ほか13名の共著)
    • Publisher
      風響社(印刷中)
    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Book] 講座 世界の先住民族:ファースト・ピープルズの現在 2 東南アジア(吉野晃「ユーミエン(ヤオ)」)2005

    • Author(s)
      林行夫, 合田濤(編)(吉野晃ほか15名の共著)
    • Total Pages
      336(84-97)
    • Publisher
      明石書店

URL: 

Published: 2006-07-11   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi