2002 Fiscal Year Annual Research Report
東アフリカ牧畜社会の土地と自然資源をめぐる認識・利用・領有に関する人類学的研究
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13610357
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF FOREIGN STUDIES |
Principal Investigator |
河合 香吏 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (50293585)
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Keywords | 土地 / 自然資源 / 東アフリカ / ドドス / 牧畜民 / 遊牧 / 認知地図 / 空間認知 |
Research Abstract |
本研究は、東アフリカ牧畜社会において土地をめぐって現在進行しつつある状況を、土地利用・土地所有の形態や制度論といった側面のみならず、さまざまな文脈において生起する人びとの具体的な実践から、その生活世界を統合的に把握することによって解析することを目指したものである。 前年度に引きつづき、年度前半はチャムスとトゥルカナ(以上、ケニア)およびドドス(ウガンダ)におけるこれまでの現地調査で得られた一次資料の整理、分析を進めるとともに、成果の一部を日本アフリカ学会等において発表した。年度後半には、ウガンダ共和国において約2カ月半(平成14年12月12日-平成15年3月1日)の現地調査および関係資料の収集等をおこなった。ドドスの調査においては、土地、資源資源にかかわる多彩な実践と集団間関係に関する資料を収集した。具体的には、(1)民族集団レベルにおけるテリトリーをめぐる対立・同盟・交渉にかかわる実践、(2)「敵」の撃退儀礼をはじめとする各種儀礼の内容と具体的な実践の詳細、(3)通婚による姻族関係や友人関係にもとづく民族集団間にまたがる個人的関係の実態、(4)旱魃、内戦、開発援助の導入など外部環境の変化にたいする実践等について、言語的資料、観察データ、認知地図等の一次資料を収集した。また、森林省や国土地理院(Uganda Land & Survey)において地形図や植生分布図などの資料を収集した。一方、国内においては京都大学アフリカ地域研究資料センター等の研究機関から情報、資料を収集した。 本年度のおもな成果として、「地名」を手がかりに身体性を軸とした空間認識について考察した「『地名』という知識-ドドスの環境認識論・序説」(2002)、土地、自然資源をめぐって共存/葛藤しあう隣接集団間の関係について「『敵』の実体化過程-ドドスにおけるレイディングと他者表象」(2002)等を提出した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 河合香吏: "「地名」という知識-ドドスの環境認識論・序説"佐藤俊編『遊牧民の世界(講座生態人類学)』京都大学学術出版会. 第4巻. 17-85 (2002)
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[Publications] 河合香吏: "長島信弘著『死と病の民族誌-ケニア・テソ族の災因論』"松田・川田編『エスノグラフィー・ガイドブック』嵯峨野書院. 106-109 (2002)
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[Publications] 河合香吏: "「敵」の実体化過程-ドドスにおけるレイディングと他者表象"アフリカレポート. No.35. 3-8 (2002)
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[Publications] 河合香吏: "チャムスの性のありか-「身体」と「関係」のはざま"松園万亀雄編『性の文脈(暮らしの文化人類学)』 雄山閣. 第4巻. 50-76 (2003)
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[Publications] 河合香吏: "ヒトは暮らす"赤堀雅幸・棚橋訓編『人類学は語る』北樹出版. (印刷中).
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[Publications] 河合香吏: "出産の歴史と進化 分娩をめぐる身体・他者・制度:はじめに"進化人類学分科会ニュースレター HP掲載:http://anthro.zool.kyoto-u.ac.jp/evo_anth.html. No.4.