2001 Fiscal Year Annual Research Report
考古出土物と祭祀儀礼・芸能よりみる中国基層文化の研究
Project/Area Number |
13610366
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
稲畑 耕一郎 早稲田大学, 文学部, 教授 (30063803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 明子 早稲田大学, 人間科学部, 講師 (50298197)
和田 修 早稲田大学, 文学部, 助教授 (20240541)
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Keywords | 中国 / 祭祀 / 儀礼 / 芸能 / 儺戯 / 仮面劇 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究は、平成11年度-12年度文部省科学研究費補助金基盤研究C(一般)「中国西南の仮面劇と基層文化の研究」の成果と研究協力体制を基礎に、中国社会の基層に想定される「偶像的神」を持つ文化の特徴と分布を、一つには現在に受け継がれる祭祀儀礼・芸能を演劇学・民俗学の方向から、一方で各地の遺跡から出土する古代遺物を考古学的視点から考察し、新たな視点を創出することを目的とする。 本年夏には従来の海外研究協力者で貴州民族学院教授のタク修明氏と今後の研究調査の方向性について伝え、稲葉が貴州に赴いて前研究からの課題である貴州省遵義県・道真県について調査並びに資料収集を行った。ここで儀礼とそれに挟まれる寸劇について法師の脚本のデジタルデータ(デジタルカメラによる撮影)・複写資料を大量に得るとともに、貴州民族学院陳玉平・王文芸講師・道真県宗教研究所再文玉・姚佳慶等と研究交流を行うことができた。今後はそこで挙がった儀礼の演目・音楽構成を中心に、日中の参加者が各々の視点を深めていくことを確認した。 予定していた国際儺戯学会への参加は、本年度儺戯学会が開催されなかったため来年度送りとなったが、国際儺戯学会曲六乙会長並びに中国戯劇学院麻国鈞教授と本研究の方向性について研究交流を行う事が出来た。考古学方面の研究者との研究交流については、学部暦改定に伴い九月下旬に予定していた稲畑の渡航が、米国同時多発テロの影響で困難になったため今後訪中の折に行うこととし、本年はこれまでに収集した資料のデジタル化作業に重点を置いた。既存複写資料・写真資料をデジタル化作業によってCD-Rの形でメンバーが共有することで、大量の版本を常時容易に見ることが可能になった。貴州省道真県の脚本などは大変に稀少なもので、今後の考証と公開が急がれる。
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