2001 Fiscal Year Annual Research Report
近代国家の過去としての少数民族 カレリアの歴史的民族誌から
Project/Area Number |
13610367
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩竹 美加子 早稲田大学, 国際教育センター, 助教授 (40322531)
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Keywords | フィンランド / カレリア / 『カレワラ』 / 文化観光 / エスニシティ |
Research Abstract |
追加採用だったため、当初計画していた夏休みの海外調査はできなかったが、本年度はこれまでの資料の読みなおし、新たな関連資料購入、インターネットによる情報収集などを行い、文献面での研究を進めた。また、来年度のカレリアでの調査に備え,ビデオとデジタルカメラを購入した。 来年度の調査は、フィンランドでカレリア・フォークロア・ヴィレッジと位置付けられている文化観光地の中のロシア・カレリア共和国パーナヤルヴィなどで行う予定である。少数民族であるカレリア人援助も目指した、小人数の旅行者によるエコツーリズムが行われている。フォークロア・ヴィレッジでは、ヨーロッパ連合の助成を受け、地域再興やカレリア語保護などを目指すカレワラ・プロジェクトも進行中である。 パーナヤルヴィは1996年にWorld Monuments Watchで「危機に瀕した百の文化的サイト」に指定された。 多民族的状況の中で、カレリア人のみを特権化する文化観光のありかた、フィンランド人旅行者、研究者、ジャーナリスト,カレリア人活動家、住民の意識などについて調査を行う予定である。 これまでの研究をまとめたものとして、今秋「ヨーロッパ的知の中のフィンランド フィン-ウゴル主義、『カレワラ』、カレリア」を新曜社から刊行する予定である。
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