2001 Fiscal Year Annual Research Report
中国西南地域諸民族誌の基礎研究-主に雲南省を中心に-
Project/Area Number |
13610368
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
栗原 悟 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (10195555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 明正 東京都立大学, 人文学部, 助手 (00326000)
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Keywords | 民族誌 / 少数民族 / 旅行記 / フィールドワーク / 中華民国期 / 雲南 / 中国 |
Research Abstract |
本年度は次年度の報告書作成にも備え、まず関連史料(資料)の整理ならびに収集に務めた。主に中華民国期(1911年以降)前後における中国西南地域の「民族誌」について、中国語、欧米諸語ならびに日本語による基本文献あるいは基礎資料を中心に表として目録化し、総点検を行った。その研究結果を各自分析しながら、月に3回のペースで、一年にして30回近く研究会を重ねた。入手が難しい文献や貴重本などについては、可能な限り国内の関連図書館あるいは大学、研究所、資料館などに赴き、閲覧あるいは複写して整理を進めた。 すでに関連する中文、欧文、日文の目録類は目録作成が進んでおり、同時に基本文献の整理表の作成も進んでいる。今回の研究目的はあくまでも中国西南地域における「民族誌」の見直し、ならびにその再構成に主眼がおかれているため、より「民族誌」に近い資料からI、II、III、の分類を設けた。すなわち、Iは単著、調査報告類あるいは旅行記など、IIは定期学術雑誌などの掲載の論文、報告類、そしてIIIは紀行文、エッセー、雑文、写真データ類である。これまで収集あるいは整理した文献研究を通じて知りえたことは、かつて日本あるいは中国でさえ正当に研究評価されてこなかった民国期の中国語の調査報告が少なくないこと、またインドシナ、ビルマの植民地化に伴う中国・雲南への欧文旅行記あるいは宣教師などの報告書の学術的意義の評価、更には日中戦争に伴う日本側の中国ならびに雲南関連の経済、社会調査報告あるいは翻訳書などの未整理、未研究の現状、などである。 これまで整理した文献の数は、二百を下らず、上記の分類に従い、更に通し番号を付して、次のような項目で整理を進めている。すなわち、文献名(書誌情報)、内容(要約)、目次、民族誌としての特長、コメント(ランク)である。このような基礎作業を通して、次年度に向け、さらに「民族誌」研究の再構成をめざしたい。
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