2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610382
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
奥村 弘 神戸大学, 文学部, 助教授 (60185551)
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Keywords | 市制町村制 / 地方自治 / 地方改良運動 / 明治憲法 / ナショナルミニマム / 摂津地域 / 播磨地域 / 近世村 |
Research Abstract |
本年度は、研究の二年目にあたり、初年度にひきつづき、播磨・摂津における市制町村制施行前後の史料の調査、収集、複写を行うとともに、姫路市を中心とした地方自治の展開過程を研究し、その成果を『姫路市史』第5巻下に収録した。ここでは全国的にも注目された地方改良運動期の『揖保郡是』成立過程を丹念におうことで、播磨における地方改良運動の特質と、その前後の地域社会の変容過程を明らかにした。 調査、収集については、行政文書および大字文書が、近世から現代まで重層的に残され、展開過程をあきらかにしやす、播磨の加東郡、揖保郡の諸町村、摂津の八部郡、武庫郡、有馬郡を中心に行った。 とくに摂津地域では、近代の地方自治体関係文書そのものの残り方についても調査をおこない、地方制度の展開過程による史料の残存のあり方との照応関係を分析した。 また近代日本における地方自治体形成についての理論的分析については、近世村レベルのもっとも基底的な自治組織そのものの近代における位置づけが、戦時下に至るまで「公的な」ものと位置づけられなかった問題を、明治憲法体制との関係で深めた。さらに地方自治とナショナルミニマムとの関連を追及することで、近代日本における自治体の合併の特質についても考察を深めた
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Research Products
(1 results)