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2004 Fiscal Year Annual Research Report

民族神や民俗神との関係分析を通した近世武家権力神の基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 13610390
Research InstitutionKYUSHU UNIVERSITY

Principal Investigator

高野 信治  九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (90179466)

Keywords招魂社 / 旧城下町 / 地域の守護神 / 現世利益神 / 国家神道
Research Abstract

本年度は幕末維新期の招魂社をはじめ、近代以降の武士祭祀事例の収集とともに、研究の最終年度にあたるため、これらを踏まえた整理・総括の作業の結果次のような成果を得た。
本研究では近世の武家領主(将軍や大名、またその家臣など)が神格化される事象の検証を通じて、1.武家領主のアイデンティティの歴史的特質の解明、2.地域社会での生活や利益を保証する民俗神的性格の検証、3.近代天皇制下での神格化された武士の包摂過程と神道との関係の解析、を行った。その結果、武家領主が神格化される歴史的背景について検討した場合、(1)武家領主の家の氏神、先祖神としての祭祀、(2)水利普請などによる地域開発あるいは善政を施したとしてその功による祭祀、(3)域社会で由緒を持つ神社の創祠・再興・寄進などの功による合祀、(4)とくに幕末維新期、「公」に尽くした人物としての招魂社などへの祭祀、(5)明治期における旧大名(歴代藩主)の都市(旧城下町)での祭祀、などがみられた。しかし、近世以前の武士層も多数神格化されていることも明らかになった。南北朝期のとくに南朝方武将(楠木正成・新田義貞など)の神格化は予想していたが、歴史上の様々な合戦で戦死したとされる武士が、戦死地ないしその墓とされるところに地域の人々によって祭祀される事象はかなりの数にのぼる。つまり(6)近世以前の武士を中心とした怨霊・御霊信仰に基づく祭祀、を加えねばならない。そして注目されるのは、このいずれもが、地域社会のなかで、地域神・鎮守神としての地域の守護神、また利益神・救済神としての現世利益神、などの民俗神的性格を漸次おびるようになったこと、他方、近世以前の武士を中心に全国的な祭祀者が形成され、それは幕末維新期の国家へ奉仕した武士祭祀と関連して、天皇を中核とする国家神道の枠組みのなかで民族神的性格も併有する特質を見いだすことができた。

  • Research Products

    (4 results)

All 2005 2004

All Journal Article (4 results)

  • [Journal Article] 武士の民俗神化と伝承の共有化2005

    • Author(s)
      高野 信治
    • Journal Title

      九州文化史研究所紀要 48

      Pages: 166-191

  • [Journal Article] 地域の中で神になる武士たち2005

    • Author(s)
      高野 信治
    • Journal Title

      比較社会文化 11

      Pages: 33-43

  • [Journal Article] 武士神格化一覧・稿(下・西日本編)2005

    • Author(s)
      高野 信治
    • Journal Title

      九州文化史研究所紀要 48

      Pages: 1-165

  • [Journal Article] 幕末期毛利家の自己認識と改革意識2004

    • Author(s)
      高野 信治
    • Journal Title

      『山口県史の窓』史料編・幕末維新編 2

      Pages: 5-8

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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