2002 Fiscal Year Annual Research Report
皇国地誌からみた明治維新期神仏分離の地方的実態―四国の場合
Project/Area Number |
13610397
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村田 安穂 早稲田大学, 教育学部, 教授 (90063601)
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Keywords | 愛媛県の皇国地誌 / 高知県の皇国地誌 / 高知県の神仏分離 |
Research Abstract |
(1)2002年8月30日〜9月2日、9月10日〜9月13日 愛媛県の調査として、愛媛県立図書館で次の史料を収集した。皇国地誌については、編集の経緯は「地誌編纂雑集」・「国史稿本之義ニ付伺ノ件」、また地誌については、「久米郡地誌」・「周布郡地誌」と未定稿であるが「浮穴郡西分地誌」・「伊予郡地誌」・「喜多郡地誌」をコピーで収集した。香川県の編集については調査中である。 (2)2003年2月11日〜2月14日、3月3日〜3月7日 高知県の調査として、高知県立図書館と高知市民図書館で皇国地誌の調査を行い、内務省に提出した香美郡・吾川郡の副本が戦災のため焼失していることを確認した。県立図書館では、昭和40年代後半に諸所蔵機関から収集して複写したもの(製本)を収蔵している。各郡とも欠けた村誌(香美郡では田村村誌のみ)がある。今回は香美郡のみ残存村誌をすべてコピーで収集することができた。吾川郡村誌についてコピーによる収集作業は次回にする。 自治体史では、「南国市史資料編(2)」に香美郡14か村を収録している。また郡としては完成しなかった安芸郡については、「川北文書史料・第1巻」に川北村、「安芸市史資料編」に栃木村・小谷村・安芸ノ川村の村誌が掲載されている。また高岡郡では日下村誌が確認されている。 皇国地誌での神仏分離の状況は、あるとすれば「古跡」の項目にあるが、香美郡については廃寺の記載がある。しかし神仏分離が激しく実施されたといわれる高知県にしては廃寺が少ないようである。今後の検討課題である。 山内神社宝物資料館には10代山内豊範の施政当時の神仏分離関係の史料があるので後日の閲覧を約束した。
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