2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610420
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Research Institution | 神戸商船大学 |
Principal Investigator |
萩原 守 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (20208424)
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Keywords | 清朝 / 藩部 / モンゴル / 司法支配 / 刑事裁判 / 民族立法 / 文書行政 |
Research Abstract |
本年度の研究計画の一つは、清朝治下各地域での法典や、中国法制史関係及び藩部地域関係の研究書を収集することであった。この点、かなりの書籍を収集することができた。特に新彊、チベット等の藩部地域や、八旗の満洲族に対する支配を扱った研究書、また元代の司法支配に関する研究書などを収集することが出来た。このため、清代モンゴルの法制史を時間軸と空間軸の両面から位置づける条件を整えることが出来た。これに関しては、来年度あたりに活字化できるものと思う。一方、マイクロ焼き付けで取り寄せる予定であった東洋文庫の『八旗則例』は、原本の印刷が大変悪いことがわかり、他の版本を調査中である。 モンゴル人専用法である「蒙古例」に関しては、北京の第一歴史〓案館にて、昨年の秋頃に筆者の友人であるモンゴル人職員が康煕頃のものと思われる新しい法典を発見した。来年度さっそく科研費で北京へ出張し筆者自ら調査したい。その成果も早めに発表したい。 次いで、前回の科研(平成9-11年)から継続して研究していた清代モンゴルのイフシャビ(大活仏の領民)に対する刑事裁判に関して、蒙古例と大清律例の効力が浸透していたことと、軽微な案件には清末でもなおモンゴル独自の判例集が適用されていたこととを明らかにすることができた。この成果は論文として発表した。また、清末の法制度が辛亥革命時のモンゴルの動きにどう関わっているかという問題に関しても、英文にて論文を発表した。
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