2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610434
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Research Institution | Osaka University of Economics and Law |
Principal Investigator |
華 立 大阪経済法科大学, 教養部, 教授 (20258081)
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Keywords | 清代 / 回民 / 甘粛 / 陜西 / 新疆 / 中国ムスリム / 進出・移住 |
Research Abstract |
三年計画プロジェクトの初年度として、研究史料の調査・収集および研究状況の把握に重点をおいた。 (1)中国第一歴史档案館(中国北京市)にて清代辺疆档案文書類を調査・収集。とりわけこれまでその詳細が知られていなかった「軍機処満文録副月折包」を対象に行い、乾隆20年代から嘉慶末期の文書史料約200点を入手した。史料の大半が満洲語であるため、現在はその整理と読解にあたっている。 (2)東洋文庫、筑波大学中央図書館、国立民族学博物館などにて資料調査。東洋文庫では清代奏稿の抄本を中心に、筑波大学中央図書館では『乾隆上諭档』、『嘉慶・道光両朝上諭档』、『宮中档乾隆朝』など、既刊の清代档案シリーズを中心に、国立民族学博物館では中国発行の学術雑誌を中心に、それぞれ調査を行なった。新疆移住史のみならず、清代回民(中国ムスリム)社会の全体像についても、一定の手がかりを得られた。 (3)日本国内外における研究情報の収集。(あ)中国人民大学清史研究所長の成崇徳教授と名誉所長の戴逸教授、中国第一歴史档案館満文部主任(部長)の呉元豊氏と元主任の屈六生氏に、中国清史研究の動向および档案史料の発掘と整理の進展についてヒヤリングした。(い)東洋文庫清代史研究室を訪ね、満族史研究会長神田信夫教授に、日本における清史および内陸アジア史研究状況についてヒヤリングした。 (4)論文「清代甘粛・陜西回民の新疆進出-乾隆期の事例を中心に-」の執筆。塚田誠之編『中国における諸民族の移動と文化の動態-周縁地域を中心として-』(風響社 2002年内出版予定)に収載。
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