2002 Fiscal Year Annual Research Report
エジプト立憲君主制期(1930年代〜1952年)における貧困をめぐる議論
Project/Area Number |
13610436
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Research Institution | Koryo International College |
Principal Investigator |
池田 美佐子 光陵女子短期大学, 国際コミュニケーション学科, 助教授 (80321024)
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Keywords | エジプト / 貧困 / 議論 / 知識史 / 政治文化 / 現代史 |
Research Abstract |
「エジプト立憲君主制期(1930年代〜1952年)における貧困をめぐる議論」をテーマとした同研究は、今年度が2年目の最終年であるが、今年度は8月に約1ヶ月と2月に約10日間にエジプトに滞在し、8月中の滞在では、国立図書館とアメリカ大学図書館において30年代から40年代前半に発行された所蔵の雑誌をすべてリストアップし、日刊紙を除いて閲覧可能な関連の雑誌のほとんどは目を通して必要なものはコピーをした。国立図書館の資料整理状況は悪く、コピーについての改善は多少見られたが、今回は装丁状態の悪い資料はすべて貸し出しを断られたため、かなりの量の資料は閲覧できないままであった。2月は滞在期間が短かったため、8月に閲覧ができなかった一部の資料と日刊紙の一部を閲覧した。同研究の3つの目的のうち、農民の貧困観については問題の重要性と大きさを認識するに至って今後の研究課題とすることにしたが、その準備として、その研究方法論の検討や関連の2次文献での考察を始めた。 同研究は、2年間の研究が本年度3月に終了するため、3月中に成果報告を執筆するが、この報告では、資料状況の説明の他40年代の貧困の議論の特徴そして、それを遡り30年代の議論も検討する。また、30年代に貧困の議論がさかんになった原因についても解明し、とくに世界恐慌、1936年の英=エジプト条約締結との関連を考察する。また、貧困の議論における思想間相互の活発な相互影響についても解明する予定である。さらに、19世紀末にはじめて見られる農民福祉の議論にも遡ってその端緒にも言及し、とくに20世紀初めに書かれた農民問題の著書の内容とその影響にも言及したい。
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Research Products
(1 results)