2004 Fiscal Year Annual Research Report
ロシアとモンゴル-モンゴルによるロシア支配とその歴史的意味に関する研究-
Project/Area Number |
13610438
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗生澤 猛夫 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40111190)
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Keywords | ルーシ / モンゴル / キプチャク・カン国 / アレクサンドル・ネフスキー |
Research Abstract |
「ロシアとモンゴル」と題する4年間の研究も最終年度に至った。研究全体に関する報告書は別途作成することになるので、ここでは今年度の実績に関して報告する。 本年度は「アレクサンドル・ネフスキー」とモンゴル(キプチャク・カン国)との関係をめぐる問題に一応の結論を出したあと(平成15年度研究実績報告書を参照願いたい)、その点検作業に研究活動の相当部分を割いた。ロシアにおけるモンゴル支配の樹立に決定的役割を果たしたと本研究代表者が考える大公アレクサンドル・ネフスキーの人物・生涯を整合的、全体的に把握するための作業であった。外には、本テーマに関する新たな研究がロシア本国で現れたため(Iu.Begunov, Arekusandr Nevskii.M, 2003)、これをフォロウし、評価する作業が要求された。これらの成果は本研究の成果報告書のなかで明らかにされる。ここではさしあたり、本研究の現在の代表的研究者の一人であるベグノーフの上記の著書は、史料の捉え方において相当問題のあるものと考えられ、そのため、アレクサンドル・ネフスキーの「生涯」を正確に把握することを目指す本研究の立場からは否定的に評価されざるを得ないということだけを指摘しておきたい。本研究代表者が今年度に取り組んだもう一つの作業は、モンゴルの侵入の経過に関する史料の洗い直しである。これは特に1223年のカルカ河畔の戦いに関するものであるが、ここでも史料(すなわち諸年代記)の記述は錯綜しており、作業はいまだ継続中である。近い将来これを完成させ、さらに1237年からのバトゥ率いるモンゴル軍の大侵入について同様の作業を行いたいと考えている。
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Research Products
(1 results)