2001 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ社会における「白人性」成立の学際的総合研究
Project/Area Number |
13610441
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹中 興慈 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (50145942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 豊志 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (10243619)
井川 真砂 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (30104730)
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Keywords | 白人性 / 人種主義 / 共和主義 / アメリカ独立革命 / 黒人奴隷 |
Research Abstract |
本研究は・アメリカ合衆国における人種問題の歴史的展開過程を解明すべく、同国における「白人性」whiteness.の社会的構築過程を社会史的、文化史的、思想史的側面から検討するものである。 今年度は、本研究の一年目にあたることから、主として、基本的資料の調査・収集、現地における最新データの収集とその分析、および本研究課題に関する最新の研究書の精読等の活動を行った。 その結果、基本的資料の所在状況が判明するとともに、その一部を入手することができた。また、各研究分担者は各自の専門分野において「白人性」形成に関する研究に着手するとともに、毎週3時間程度の研究会を開催した。この場においては、主としてD.Roedigerの著書、The Wages of the Whiteness(『白人性の代償』)をテキストにして、その内容理解につとめた。 こうした研究活動の藷果、合衆国における人種差別意識の根底をなす「白人性」意識が形成されたのは独立革命期に特定できること、かつまたその契機は、独立に伴う共和制への移行の結果、白人民衆のあいだに、黒人を奴隷に固定化する一方で自らを奴隷とは区別された自立的存在とみなす「共和主義的人種主義」が醸成されたことにあることを明らかにした。 次年度は、こうした特殊合衆国的市民意識である「共和主義的人種主義」の歴史的展開過程をRoedigerの著書にそって理解していくとともに、引き続き関連資料の収集とその検討を行う予定である。
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