2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610446
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
早坂 真理 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (80164929)
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Keywords | 東欧 / スラヴ / リトアニア / ベラルーン / グーテンベルグ / スコリーナ / ルブリンの合同 / JSSEES |
Research Abstract |
本研究に関する平成13年度の研究実績は、以下の2点に要約できる。 1)12月1日、法政大学で開催されたJSSEES2001年度の年次大会の共通論題『21世紀のロシア・東欧への新しい視座』のひとつのセッション、「スラヴ地域をめぐる教育と研究のストラテジー」の基調報告で、本研究の方向を、地域研究と情報の総合化として提案した。すなわち、現代社会を特徴付ける情報化が16世紀のグーテンベルクによる活版印刷の技術開発に遡る歴史的転換であることを明確化した上で、この地で印刷活動を開始したフランツィスク・スコリーナの事跡を紹介し、1588年の第三次リトアニア法がその印刷技術によって公刊され、政治行政言語として後世に至る法効力を発揮したことの歴史的意義を紹介した。この地域全体は1569年のルブリンの合同以降、政治的にはポーランド王国と連合関係を深めていくとはいえ、古層としてのキエフ・ルーシの遺産をなお色濃く残し、ロシア史あるいはソ連邦史の枠組みでは把握不可能であること、ポーランドの政治文化との重なり合い、そして現地、すなわち重層化した社会編成をもつ「郷土」の政治文化を把握する必要性を指摘しておいた。 2)このセッションの各報告を基に、スラヴ東欧地域、とりわけベラルーシやバルト三国のような、歴史学や政治学の分野ではマイナーとみなされる地域にも照明を当てる必要性を強調し、諭集としてまとめた。スラヴ東欧地域をめぐる関連学会へ学術情報を提供できるように配慮した。
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Research Products
(2 results)