1930年代メキシコにおける日本エビトロール漁業と日・墨・米三国関係に関する研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13610448
• Research Institution: Shizuoka University
• Principal Investigator: 杉山 茂 静岡大学, 情報学部, 助教授 (60303525)
• Keywords: 環太平洋 / 国際関係史 / 日米関係史 / 日本・メキシコ関係史 / メキシコ・米国関係史 / 移民史 / 漁業経済史 / エビ漁業

Research Abstract

平成14年度、本研究の完成のために次の4点の活動をおこなった.
まず、2002年11月24日、これまでの研究成果を、関西アメリカ史研究会年次大会において「1930年代の日本水産資本のメキシコ進出に対するローズヴェルト政権の対応:漁業技術援助競争と公法63の実施」というタイトルで発表し、参加者から有益なコメントを得た.
次に、2002年12月24日から2003年1月16日にかけて、米国ロサンジェルス市を中心に現地調査をおこなった.まず、全米日系アメリカ人博物館において1930年代の南カリフォルニア漁業で大きな役割を果たしていたサンペドロ近郊のターミナル・アイランドで漁業活動をおこなっていた日系アメリカ人コミュニティーについて調査した.さらに、ターミナル・アイランドに住んでいた日系アメリカ人3名と面談調査をおこない、ターミナル・アイランダーズの「新年会」に参加し、多くの漁業経験者と面談をおこなった.
この漁業活動に関する調査は次の場所でもおこなった.カリフォルニア大学ロサンジェルス校ヤング研究図書館においてメキシコ漁業に関する文献調査を、そしてスペシャル・コレクションにおいては領事報告を用いて、漁業活動に携わった日系アメリカ人に関する調査をおこなった.さらにサンペドロにある歴史協会文書館および公共図書館においては、ローカル・ヒストリー研究者との交流をおこなうとともに、日系アメリカ人以外のエスニック集団による漁業活動の調査をおこなった.
三番目の研究活動として、大阪の大阪市水産物卸協同組合「資料室」において、1930年代のエビ消費市場に関する調査をおこなった.
最後に、メキシコに漁業技術援助をおこなった山下利得博士の家族に研究への協力をお願いした.