2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610451
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山代 宏道 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80113372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 徹 琉球大学, 法文学部, 助教授 (90258294)
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Keywords | ノルマン征服 / グローバリゼーション / 教会改革運動 / イースト=アングリア / ノリッジ / 市場 / 妻帯聖職者 / 交易 |
Research Abstract |
過去4年間に国内外で購入・収集し、また今年度も補充してきた文献・写真資料等を利用して本研究を継続して行った。本研究課題での最終年度にあたるため、研究成果をまとめて公表するための研究打ち合わせが活動の主要部分であった。平成16年7月15日〜17日に那覇市で行った研究報告会では、山代が「ノルマン征服とグローバリゼーション-教会改革運動とノリッジ-」と題する報告を、宮城が「1200年以前のイングランド市場と国王行政」という題で報告し、報告内容に関する質疑応答を行うと共に、成果報告集の中でのそれらの位置付けを話し合った。 本研究では、ノルマン征服を中心として、山代が11・12世紀の宗教的グローバリゼーションを、さらに、宮城が経済的グローバリゼーションの事例について解明してきた。とりわけ、征服後の地域社会の形成という視点から、山代は11・12世紀の教会改革運動をグローバリゼーションの事例とみなしたうえで、まず、イングランド地域に及ぼした大きな影響を指摘し、次に、ノリッジ司教区という地方レベルでは、地方的慣例であるローカリズムとのせめぎ合いを引き起こしたことを明らかにした。宮城は、イースト=アングリア地方の所領を中心とする経済・交易システムの成立に対する経済的グローバリゼーションの影響を明らかにした。異民族が対立関係から共存関係へ、さらに融和へと移行する過程において、征服がイングランドを大陸世界と結び付けた結果、促進されたグローバル化の諸動向のインパクトを明確にできたと考えている。
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Research Products
(3 results)