2001 Fiscal Year Annual Research Report
古墳時代開始年代および弥生・古墳時代時代区分の再検討
Project/Area Number |
13610466
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
橋本 博文 新潟大学, 人文学部, 教授 (20198691)
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Keywords | 弥生時代 / 古墳時代 / 時代区分 / 自然科学的年代測定 / 熱残留時期年代測定 / 14C年代測定 / 四斗蒔遺跡 / 日高遺跡 |
Research Abstract |
1年次目は、弥生・古墳時代の時代区分論の研究史を整理する一方で、自然科学的な方法による当該期の年代測定データを集成・整理した。また、問題の四斗蒔遺跡1号居館1号住居址に関する熱残留磁気年代測定以外の方法による自然科学的な年代測定を実施し、先のデータとのクロス・チェックを実施した。さらに、未整理・未発表の四斗蒔遺跡2次調査分の1号居館の資料を整理し、資料集にまとめた。 一方、群馬県高崎市日高遺跡の弥生後期後半(終末期)のSI50号住居址の熱残留磁気年代測定を試みた。その結果、A.D.230±20年というオーダーを得た。これは先の四斗蒔遺跡1号居館1号住居吐の炉の熱残留磁気年代測定結果に近いものであり、注目される。また、同遺構の年代を他の自然科学的年代測定データとクロス・チェックすべく、同住居吐の貯蔵穴採集土壌の水洗選別を行い、炭化米4粒とマメ科の種子6粒を検出した。そのうち、炭化米の2粒を計測し、写真記録にとどめた後、AMS法による放射性炭素年代測定を実施した。結果は、A.D.50-130年となり、熱残留磁気年代測定の結果とは対応しない。なお、日高遺跡の遺構覆土の火山性堆積物との関係で浅間山C軽石が問題になるので、遺構との関係を記録すべくSI50号住居址に伴うと考えられる環壕の断面剥離を試みた。さらに、SI50号住居吐出土土器のうち特徴的なものをピックアップして資料化した。一方、四斗蒔遺跡1号居館1号住居祉の床面出土ススキ属炭化材と同住居址出土土師器蜜の外面に付着した煤状炭化物の放射性炭素年代測定を行った。その結果、期待した年代観からはずれた数値が出た。今後、他の方法による年代測定データも併せて、再整理したい。
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