2001 Fiscal Year Annual Research Report
集落・墓地・土器・祭祀から見た弥生時代社会の変容過程の研究
Project/Area Number |
13610470
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩永 省三 九州大学, 総合研究博物館, 教授 (40150065)
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Keywords | 弥生時代 / 集落構造 / 環濠集落 / 都市 |
Research Abstract |
1、本年度には主として集落関係の資料を収集した。各地の集落遺跡の報告書から、本研究の目的に必要な情報を網羅的に収集した。特に研究上重要な資料については、所蔵・保管先に直接出向いて、実測図作成・写真撮影などの手段で記録化した。人間集団編成とその集落における空間的レイアウトを研究対象とする諸学、すなわち文化人類学・民族学・民族建築学などにおける研究の成果を、事例研究は当然として、特に方法論のレベルで勉強・摂取するために、基礎的文献・論文等を日本語・外国語を問わず広く複写集成して学習した。 2、本年度に収集した資料に基いて、集落構造に反映された人間集団の編成原理の変化とその原因についての分析を開始した。また、近年盛んな弥生時代の大規模環濠集落を都市と見る説について検討した。弥生都市論においては、マックス・ウェーヴァーの農工市民都市という概念の適用には注意を要すること、集住には2者を区別すべきこと、初期農村は本来農工未分離であり多職種共生を都市の要素と見るのは問題があること、農閑期分業概念は誤りで兼業と評価すべきこと、専業工人の認定法が杜撰であること、金属器工人の数を過大に算定する傾向があること、などが判明した。 3、平成14年度には主として墓地関係の資料を収集し、その構造に反映された人間集団の編成原理の変化とその原因について研究する予定である。
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