2003 Fiscal Year Annual Research Report
旧日本植民地下「朝鮮」に関する日本近代文学と「日本語文学」の比較研究
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13610509
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
浦田 義和 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (00151944)
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Keywords | 旧植民地「朝鮮」文学 / 植民地文学 / 日本語文学 / 昭和文学 / 近代文学と植民地 / 近代文学とアジア / ポストコロニアリズム / 占領と文学 |
Research Abstract |
本年度は、当初研究実施計画に基づき、旧日本植民地下「朝鮮」に関する日本近代文学の作品と、旧「朝鮮」の作家の日本語による文学作品である「日本語文学」の比較に関して、以下のように実施した。 1、資料目録の補完および情報収集 富山大学附属図書館にて、主に旧日本植民地下「朝鮮」に関わる日本近代文学作品及び「朝鮮」人作家による日本語作品を閲覧した。また、沖縄県立公文書館所蔵資料より主に戦前期雑誌所載の植民地関係事項を閲覧した。さらに韓国釜山広域市民図書館およびソウルの国立中央図書館にて朝鮮関連解放前日本語文献を閲覧した。 他に、対馬で行なわれた韓日文学者交流会議に参加し、韓国釜山の現代文学者より文学研究、歴史認識などについての情報を収集した。 以上の閲覧および情報収集を通して、資料目録の情報を更新した。 2、文献資料収集 富山大学附属図書館資料では、戦前雑誌「新満州」や旧「朝鮮」の同人誌「真人」他、多種多様の資料から、文作品や評論などの文献を複写し収集した。沖縄県立公文書館資料では、戦前雑誌「太陽」や民俗学、民族学,地理学、工芸、教育関係雑誌などから植民地関係事項の資料を複写し、収集した。韓国釜山広域市民図書館では主に植民地「朝鮮」雑誌「朝鮮事情」から文学に関わる資料と「朝鮮紳士名鑑」などを複写、収集した。ソウルの韓国国立中央図書館では、データ・ベース化された日書文献の中から、植民地期の国語教科書や現地で出版された詩集、小説集などの文献を複写、収集した。 以上の資料収集によって、主に、日本内地における文学に限らぬ植民地研究資料の一端と植民地「朝鮮」で発行された文学資料の一端を新たに収集できた。 3、資料分析 戦前日本内地における植民地研究の広がりと「朝鮮」で出版された文学書の様々な存在が確認できた。
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