2001 Fiscal Year Annual Research Report
地芝居の上演狂言に関する研究-東濃・南信・三河地区を中心に
Project/Area Number |
13610521
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
安田 徳子 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (00135279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 文吉 南山大学, 人文学部, 教授 (80121474)
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Keywords | 地芝居 / 狂言台本 / 浄瑠璃本 / 振付師匠 / 祭芸能 / 農村舞台 / 歌舞伎 / 義太夫 |
Research Abstract |
地芝居は、日本近世の都市芸能として圧倒的人気を博してきた歌舞伎が地方に伝播し、それぞれの地域の持つ風土と一体化して、独自の発展を遂げてきた。それぞれの土地で上演されている狂言(歌舞伎作品)を調査・比較することで、各地方の特質及び都市と地方、各地方間の関係が浮かび上がってくると思われる。東濃・三河は全国でももっとも多く地芝居の伝統が残っている地域であるので、本年度は、先ず、三河では新城歌舞伎、東濃では瑞浪市の美濃歌舞伎、下呂町の鳳風座歌舞伎及び白雲座歌舞伎、加子母村の加子母歌舞伎を調査した。新城歌舞伎では、振付師匠中村竹昇及び保存会の主要メンバーから聞き取り(録音)及び竹昇氏所蔵台本の調査を行い、デジタルカメラによって台本の主要部分を撮影、収集、MOディスクに保管した。これは、整理して論文化、報告した。さらに、旧指導者市川桃蔵所蔵台本の調査・資料収集も行った。東濃の各歌舞伎団体は、主要メンバーからの聞き取りを行なった(録音)。また、現在は、台本を持たず、振付師匠の提供する録音テープによって稽古、上演している団体も多いし、所蔵台本と現行の上演作品、演出がことなる団体も多いので、公演時にVTRにより舞台の収録も行った。南信地区では、下条村の下条歌舞伎と長谷村の中尾歌舞伎の調査を行った。主要メンバーからの聞き取りを行った(録音)結果、台本・浄瑠璃本を所蔵していることが判明した。撮影による資料収集は明年度に行いたい。さらに、研究対象地区との比較資料として、もう一つの地芝居集中地域である関東北部、埼玉県の小鹿野歌舞伎、群馬県の赤城山麓周辺の歌舞伎団体の調査を行った。 収集した資料の分析から、東濃・三河地区の地芝居は、主に祭礼の奉納芸能として行われてきたが、地元を拠点とする地回りの役者を指導者として行われてきたことが明らかとなった。
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