2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610525
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Research Institution | KIBI International University |
Principal Investigator |
井上 理恵 吉備国際大学, 社会学部, 教授 (80278986)
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Keywords | 劇評家 / 劇評 / 岡田八千代 / 戯曲 / 小説 / 女性劇作家 / 児童劇 / 演劇教育 |
Research Abstract |
岡田八千代(1883〜1962)の資料調査に関する研究は研究期間を終了した。20世紀の初めからほぼ半世紀にわたる足跡を調査したわけだが、劇評・小説・戯曲・詩・随筆・ラジオドラマ・その他、さまざまなジャンルで仕事をしているために散逸した資料も多く、調査は困難を極めた。今回の研究期間で調査できた資料はおよそ730であった。けれどもそれらの資料を全て収得することは不可能であったし、内容を記録に残すことも全て出来たわけではない。ただ、研究期間最終年であるからそれらの一部を著作年譜の形で公表した(『吉備国際大学社会学部紀要第15号』に発表)。 今回の研究で明らかになった重要な点は、劇評家のパイオニアとして登場した八千代が1903(明治36)年から1955(昭和30)年までほぼコンスタント劇評を書いていたことである。しかも男性劇評家とは異なるきわめて特異な批評もあった。膨大な量であるために未だ全てを検討できていないが、10年間ぐらいの劇評をみると、これを詳細に検討すればおそらくこれまで触れられてこなかった新・演劇-新派-新劇-歌舞伎-等々の新しい顔が現れると推測している。 小説に関しては、樋口一葉の再来といわれたように、一葉まがいのもので出発したが、その後は口語体の新風俗を取り込んだ小説を書いていたことも明らかになった。これは明治・大正の時代状況を知るのにいいだろう。 戯曲については、すでに検討しているが、劇評に比してその数はかなり少ない。これは八千代が演劇集団と直接的な関連を持たなかったことによる。劇作家と演劇集団の関係は現在も大きな問題であるが、これについても上演という視点から検討されなければならないだろう。 児童劇や八千代が育てた俳優たちの子どもの演劇教育、あるいは女性劇作家の育成などについて今後調査する必要があると考えている。
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Research Products
(4 results)