2001 Fiscal Year Annual Research Report
清末・民国初期の巷間資料による庶民文化流通形態の研究
Project/Area Number |
13610543
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岡崎 由美 早稲田大学, 文学部, 教授 (50185419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 昭弘 早稲田大学, 文学部, 教授 (70165497)
稲畑 耕一郎 早稲田大学, 文学部, 教授 (30063803)
砂岡 和子 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (70257286)
森 由利亜 早稲田大学, 文学部, 助教授 (30247259)
堀 誠 早稲田大学, 教育学部, 教授 (20157051)
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Keywords | 中国 / 庶民文化 / 民間信仰 / 俗曲 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究は、説唱本や宗教結社の説教冊子、民俗絵図資料等の巷間に流通した印刷資料の調査分析を通じて、庶民文化流通の力学を考察し、従来口承文化研究を第一義としてきた庶民文化研究のための新しい切り口を提出することを目的とする。 本年度は、豊富な巷間文献資料を擁する早稲田大学中央図書館風陵文庫についてデジタル化および画像データベース作成作業を進めた。巷間の文献資料は、従来の漢籍文献学では解決しきれない問題を多く有し、この作業自体が学術的に大きな意義をもつ。また、随時生み出されるデジタルデータは、傷みやすく閲覧公開に適さない巷間資料を、扱いやすく大量に処理することを可能にした。 こうした資料をもとに、各メンバーがそれぞれの視点から分析するほか、海外共同研究者(黄霖復旦大学教授・Boris. Riftinロシア科学アカデミー首席研究員)来日時を中心に、学際的な領域をカバーする研究分担者が研究会を行い、所期の分担分野についての視点を提出し、研究交流を行った。各地に散在する資料については、上海市復旦大学、台湾中央研究院歴史語言研究所などについて計画通り訪問・調査を行い、台湾中央研究院においては、文学哲学研究所においても本研究が扱う資料の存在と調査についての内諾を得ることができた。本研究が注目する巷間文献資料は、従来の漢籍文献学での分類が困難なため、他にも多くのコレクションが存在すると予想される。引き続き各地の研究者・研究機関と連絡をとりあい、資料収集活動も並行して行いたい。
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