2003 Fiscal Year Annual Research Report
構文と動詞の意味融合:日英語対照による認知類型論的アプローチ
Project/Area Number |
13610550
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 尚之 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (50214185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 薫 東北大学, 留学生センター, 教授 (70181526)
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Keywords | 認知言語学 / 類型論 / 日英語対照研究 / 構文 / 語彙意味論 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトの最終年度である15年度は,昨年度から継続して、研究代表者である小野が中心になって研究成果の発表およびまとめにとりかかった。 研究課題である「動詞と構文の融合」をテーマに,研究代表者の小野は,海外の国際的な学会において発表する機会を得た。今年度は、2003年5月にスイスのジュネーブ大学で開かれた第2回国際生成語彙学会(The Second International Workshop on Generative Approaches to the Lexicon)において,An Event Structure Analysis of Japanese Passivesという題目で発表を行った。これは日本語の間接受動文について,構文論的な制約と動詞の意味融合を扱ったものである。間接受動文の動作主句が義務的であること,非対格動詞が生起しないこと,関与と排除という解釈上の制約があることを使役のイベント構造を想定することによって説明できることを論じた。この学会で発表された論文の中から精選された論文を集めた論文集が現在オランダの出版社から刊行予定であり,小野の論文もその中のひとつとして選ばれると成果を上げた。 また,同じく9月のシンガポールで開催された太平洋アジア地域言語情報計算学会(PACLIC17)において,研究成果の発表を行った。 堀江は日本語の動名詞についての研究を類型論的な観点からまとめた。また、同様に類型論的な観点から、動詞の文法的特徴について考察した論文を発表した。 以上の成果は,現在印刷中の報告書にまとめた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Naoyuki Ono: "An Event Structure Analysis of Japanese Passives"The Second International Workshop on Generative Approaches to the Lexicon, University of Geneva. 123-129 (2003)
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[Publications] Naoyuki Ono: "On the Event Structure of Indirect Passives in Japanese"PACLIC 17, Colips Publications. 28-37 (2003)
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[Publications] 小野尚之: "日本語受動文の事象構造分析"電子情報通信学会技術研究報告. 103・280. 7-12 (2003)