2001 Fiscal Year Annual Research Report
1970年代以降のネイティヴ・アメリカン文学研究とその表象的・文化史的考察
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13610559
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
荒 このみ 東京外国語大学, 外国語学部・文化科学教官, 教授 (90119529)
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Keywords | ネイティヴ / アメリカ・インディアン / ルイーズ・アードリック / 文学 / 民俗学 |
Research Abstract |
第一年度はアフリカン・アメリカ文学の基本資料の収集を精力的に行った。ネイティヴ・アメリカン・ルネサンスと呼ばれた1970年ころから、ネイティヴ・アメリカン文学へようやく注目が向けられるようになり、スモール・プレスのみならず、全米規模の出版社から刊行されるネイティヴ・アメリカン関連の文献は数多い。膨大な関連出版物のなかから、文学作品のみならず関連図書をテーマに沿って選択することにもかなりの時間を割いた。写真関連の文献を今年度は収集することができなかったので、これは次年度の課題とする。 今年度の大きな収穫はヨーロッパにおけるアメリカ研究者たちと研究交流を実施することができたことである。ヨーロッパにおいてもネイティヴ・アメリカン文学への関心は高く、オランダ・ポーランド・オーストリアのアメリカ研究者と忌憚ない意見の交換ができたことは、これからの研究に貢献することだろう。とりわけ第二次世界大戦の同じ敗戦国であるオーストリアの研究者と自国におけるアメリカ受容およびネイティヴ・アメリカンへの関心について意見を述べあうことができたことは、相互にとって刺激的であり、この経験はこれからの研究に反映すると確信している。 文学作品のいくつかについては資料としての要約作成も実施したが、カード化またはフロッピー化するところまではいたっていない。この作業は莫大な時間を要するが、基本資料に関しては実施したいと考えている。 今年度はアメリカ合衆国で直接資料を収集する機会はなかったが、第二年度には実施したいと計画している。
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