2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610581
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲田 俊明 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (80108258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 宣明 九州大学, 人文科学研究院, 助教授 (80198431)
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Keywords | Clause Type / CP Structure / Negation / NPI / Echo Question / Cross Over / Reconstruction / Minimalism |
Research Abstract |
節の統語的、意味的特性のなかで、文タイプと法性に関わる問題(平叙文、疑問文、命令文等の表示)と極性に関わる問題(肯定文、否定文の表示)を節構造と意味との相関性に焦点をあてて総合的に研究した。これらの問題は、従来は、構文研究の問題として、あるいは否定文の諸特性の研究として、別個の問題として扱われていたので、それらを統合してその統語的・意味的諸特性を関連付けて研究することは、新しい試みであった。またこのような統合的研究によって得られた知見は意義のある研究成果といえる。 具体的には、埋め込み構造と英語の間接疑問文の多様性に関する理論的研究について従来のCP構造に関する仮定の問題点とその解決法について、日本語、英語をはじめとする諸言語の疑問文の類型化と問い返し疑問文の構造に関する研究とその普遍文法理論研究における意義について、日英語の否定極性表現(Negative Polarity Item : NPI)の認可に関する従来の分析の問題点とPolPの有無に関する日英語の構造的差異について、極性表現の認可と強交差現象(Strong Cross-over)に関する理論的研究、再構築(reconstruction)に関する理論的研究などを研究し、節構造の統語的・意味的特性の研究において大きな成果をあげた。 これらの研究成果については、関連学会講演会、日本英語学会全国大会、日本英文学会九州支部大会シンポジュウム、福岡言語学会等において発表し、また学会誌等の出版物において公表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 稲田 俊明: "補文タイプと倒置構文-言語多様性の考察-"市川賞36年の軌跡. 168-176 (2003)
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[Publications] 稲田 俊明: "補文構造と問い返し疑問文"言語学からの眺望2003. 21-32 (2003)
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[Publications] 稲田 俊明(今西典子と共著): "What Wh-Echo Questions Tell us about the Language Faculty"Empirical and Theoretical Investigations into Language. 241-280 (2003)
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[Publications] 西岡 宣明: "否定対極表現の認可と再構築現象について"JELS(日本英語学会). 19. 156-165 (2002)
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[Publications] 西岡 宣明: "Wh- (...)MO構文の認可条件について"言語学からの眺望2003. 73-87 (2003)
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[Publications] 西岡 宣明: "In Defense of PolP in English"文学研究. 99. 85-121 (2002)