2002 Fiscal Year Annual Research Report
オーストリア戦後文学の現況―1989年以降を中心に―
Project/Area Number |
13610631
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鈴木 隆雄 東京都立大学, 人文学部, 教授 (10083289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒子 康弘 東京都立大学, 人文学部, 助手 (50305398)
初見 基 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (90198771)
ヴァルター ループレヒター 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (50254123)
高本 教之 東京都立大学, 人文学部, 助手 (40315742)
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Keywords | オーストリア / ヴォルフ・ハース / マネス・シュペルバー / ミーラン・ドゥブロヴィッチ / エルンスト・ヒンターベルガー |
Research Abstract |
本研究計画は、オーストリア戦後文学を、その地域性に限定してではなく、<ドイツ語による文学>一般のなかで相対化しつつ、なおかつそこに如実に現われる特異性を再検討してゆくことを目指している。第二年目に当たる平成14年度は、昨年度に引き続き、1)基本的資料の充実化とその整備、2)定期的な研究会の継続、が中心課題となり、これは予定通り順調に進捗した。 第一の基礎資料の充実化に当たっては、不足している書籍類を遡及的に購入することに重点が置かれた。とくに、これまでかなり欠落が多かった1970年代、80年代の文献が集中的に購入されたことによって、より包括的な研究の基盤が築かれた。また同時に、本研究に係わる分野の最新の研究書も極力網羅的に収集した。 第二の研究会開催に当たっては、東京都立大学大学院在学生及び同大学院出身のオーバードクターを中心に、慶応大学、筑波大学、上智大学の大学院生をも招き、活発な発表が重ねられた。今年度は「歴史研究」の観点からの概論的な議論が中心になり、とりわけ、戦間期の「オーストロ・ファシズム」及び亡命者の問題、現在の「移民排斥」・ショーヴィニズムの台頭等についての発表が行なわれた。さらに、2002年秋に作家ヴォルフ・ハースが来日するのを機に、6月より準備会を重ねたうえで、11月に氏を迎えて行なわれたオーストリア現代文学ゼミナールに臨んだため、きわめて実り豊かな討論ができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 初見基: "カイザーパノラマ 下 -二○○○年頃に読む『ベルリン幼年時代』6"みすず. 493号. 50-65 (2002)
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[Publications] 初見基: "愛、それはいつでも多すぎるか少なすぎるか"みすず. 497号. 2-17 (2002)
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[Publications] Yasuhiro Kurogo(黒子康弘): "ZUR KRITIK DER REPRASENTATION IM MALTE UND IN DEN DUINESER ELEGIEN"日本独文学会 蓼科論集. (未定). (2003)
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[Publications] 黒子康弘: "リルケの詩における言説,および表象の機能と意味について"日本独文学会叢書 Kulturwissenschaftの課題と実践(黒子康弘編). (未定). (2003)
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[Publications] 鈴木隆雄訳: "ミーラン・ドゥブロヴィッチ『歴史の横領』"水声社. 382 (2003)