2001 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア諸語に於けるクレオール化と言語の起源に関する類型論的考察
Project/Area Number |
13610650
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
藤井 文男 茨城大学, 人文学部, 教授 (40181317)
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Keywords | 言語類型論 / 言語普通論 / 統辞論 / チベット・ビルマ語派 / オーストロ・アジア語族 / クレオール / 言語変化 / 言語系統論 |
Research Abstract |
本研究の初年度に当たる今年度は、前研究(「インドシナ諸語の類型論的特質から見る、言語の普遍的発展パターン」)で既に開始していたモン語口語の現地調査を中心に、主にオーストロ・アジア系の言語に焦点を当ててネイティブ・スピーカーに対する聞き取り調査を展開した。今年度はモン州を中心に居住するビルマ(ミャンマー)領内のモン族の調査に限定されたが、最終的にはある種の"共通"もしくは"標準モン語"の口語資料の基幹部分のデータがほぼ出揃い、来年度にはその成果を科研費出版助成金の申請して公刊できる体勢が整ったと考えていい。本研究は理論研究であると共に、基礎資料の、ある種の"データ・ベース化"も大きな眼目のひとつとも位置付けているので、来年度中には是非ともこれを実現したい。 対象地域で行なわれる少数民族諸言語に対する、言語類型論的見地からの詳細な分析検討は、以前の研究(「カレン語のチベット・ビルマ語派に於ける類型論的位置づけから見る中国語の起源」)で取り上げたカレン語以来だが、類型論的類似性の高さの中にも、"文助詞"の統辞的独立性にはかなりの開きが認められ、類型論的特質と系統論的特徴に対する相方からの詳細な検討の必要性が感じられる。来年度はオーストロ・アジア系言語の対象を拡大してみたい。
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