2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610657
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
上田 功 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50176583)
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Keywords | 音韻論 / 構音障害 / 方言音声 / モーラ増加 |
Research Abstract |
2年目である本年度は、昨年度に引き続いて、幼児の音韻障害のデータを収集することを継続した。またいわゆる機能的構音障害児のみならず、口蓋裂や聴覚障害など、広く器質的な障害児のデータにも観察を拡大し、正常発達児の音韻体系との共通点を探っている。これらのデータや観察結果をもとに、文部科学省からの「キャリアアップ研究事業助成金」による現役の言語聴覚士対象の講座の講師を務めている(10月5日大阪リハビリテーション専門学校)。 データの分析に関しては、昨年度からすでに、幼児の誤構音と方言音声には、共通点が多く存在し、方言の音韻体系とのパラレリズムが、幼児の音韻障害の解明の鍵になることが期待されたが、本年度は方言のモーラ増加現象の分析を進め、静岡方言の分析を、Davis, S. and Isao Ueda 'Mora augmentation in Shizuoka Japanese' Japanese and Korean Linguistics 10.CSLI Publications (Stanford University)として発表し、さらにこの現象の、類型論的考察を、Davis, S. and Isao Ueda 'A typology of mora augmentation'.として、9月に開催された国際学会Linguistics and Phonetics 2002で、口頭発表している。またこの現象を、擬態語なども含めた日本語全体にわたって考察した論考が、Davis, S. and Isao Ueda 'Mora augmentation processes in Japanese'.として、Journal of Japanese Linguisticsに掲載される予定で、現在印刷中である。
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Research Products
(1 results)