2002 Fiscal Year Annual Research Report
音声・調音可能性ハイエラーキと最適性理論に関する研究
Project/Area Number |
13610662
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
村田 忠男 九州工業大学, 工学部, 教授 (80071653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 真冬 山口大学, 工学部, 助教授 (00343301)
深澤 はるか 九州工業大学, 工学部, 助教授 (50315165)
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Keywords | 調音可能性 / ハイエラーキ / 最適性理論 / 音声分析 / 調音の動的特性 / 開音節化 |
Research Abstract |
音声・調音可能性ハイエラーキの実証的研究のために咋年度行った実験結果の解析を進めた。被験者は次第に速くなるメトロノームに合わせて,母音(V)2種類x子音(C)12種類を[VC]音節として組合わせて発音した。メトロノームの時間間隔が短くなるにつれて[VC]音節を発音し続けることが難しくなり、[CV]音節に入れ替わってしまう。この「入れ替わり」の瞬間のメトロノームの早さを従属変数とし、子音の種類による分布を調べた。その結果、いわゆるソノリティハイエラーキと対応する、無声閉鎖音<有声閉鎖音;閉鎖音<摩擦音;阻害音<共鳴音という順序が確認された。この結果をまとめ、第15回国際音声学会議(ICPhS)における発表に応募し採用された。 この研究は、これまでの音韻論におけるソノリティハィエラーキが静的かつ要素遺元的であったのに対し、調音の動的特性とリズムに着目している。同様の視点から研究分担者の一人は、アラビア語、英語、日本語の比較に関する別のプロジェクトに参加し、その成果を発表している。また音韻理論とのリンクは、雑誌論文2編において日本語の心的辞書における音韻的な重層性を形式的に定義する試みにおいて迫求されている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Mafuyu Kitahara, Tadao Murata, Haruka Fukazawa: "Rate induced resyllabification and sonority scale in Japanese"Proceedings of the 15th ICPhS. 15(印刷中). (2003)
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[Publications] Bushra A.Zawaydeh, Keiichi Tajima, Mafuyu Kitahara: "Discovering Arabic rhythm Through a speech cycling task"Perspectives on Arabic Linguistics. XIII-XIV. 39-58 (2002)
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[Publications] 深澤はるか, 北原真冬: "有標性制約における指定の度合い"音韻研究. 5. 13-20 (2002)
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[Publications] Haruka Fukazawa, Mafuyu Kitahara, Mitsuhiko Ota(2002): "Constraint-based modelling of split phonological systems"音韻研究. 5. 115-120 (2002)