2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の対立意見表明における韻律変異の研究―レジスター・性差・ストラテジー的観点から―
Project/Area Number |
13610665
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
高野 照司 北星学園大学, 文学部, 助教授 (00285503)
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Keywords | 言語変異 / 韻律 / プロソディー / 強調 / 日本語 |
Research Abstract |
今年度は研究計画の2年目として、昨年度からの継続である分析用コーパスの整備と拡充を中心に研究活動をおこなった。本年度の研究の焦点を、対立意見表明時における強調韻律の言語環境的制約に絞ることにしたため、各世代ごとに一対一の対面会話を数多く収集し、その文字起こし作業をするなどして、分析用コーパスを整備した。 また、来年度(最終年度)は研究の焦点として、職場における意見対立表明時の韻律ストラテジーに目を向ける計画があることから、職場での自然談話の収集にも努めた。さらには、これまで収集した女性管理職の職場での自然談話を音声分析ソフトに入力し、分析用コーパスとして準備をしてきた。 今年度の研究活動の成果としては、論考「A Variationist Study of Prosodic Focus in Naturally Occurring Interactions : the Case of the Negative "-Nai" in Hokkaido Japanese」が、『音声研究』第六巻第三号(日本音声学会編、2002年12月)に掲載された。本論考では、上記の強調韻律における言語環境的制約の解明を中心課題として、韻律強調に関する従来の研究には欠けている多変項解析を試み、韻律構造のみならず、談話文法的要素や相互行為的条件などが多角的に作用していることが判明した。
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Research Products
(1 results)