2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610668
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
斎藤 衛 南山大学, 人文学部, 教授 (70186964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村杉 恵子 南山大学, 外国語学部, 助教授 (00239518)
阿部 泰明 南山大学, 人文学部, 教授 (40159447)
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Keywords | スクランブリング / 比較統語論 / 移動現象 / 非演算子移動 / 句構造形成 / 併合 / パラメター / 言語獲得 |
Research Abstract |
統語論:昨年度に引き続いて協同研究を進め、7月27日〜28日には、Gunther Grewendorf氏、Joachim Sabel氏、Zeljko Boskovic氏、宮川繁氏、および国内の研究者数名を招いて、スクランブリングに関するワークショップを開催した。この成果は、後日、Mouton de Gruyter社(ベルリン)から論文集の形で出版される予定である。協同比較研究を通して日本語スクランブリングの特殊性が明らかになり、これを基にして、より一般的な日本語文法の特殊性を解明する研究が開始された。まず、日本語の特徴である「省略」とスクランブリングに共通した説明を与える試みがなされ、この成果は、斎藤が、東アジア言語学国際ワークショップ(9月、同志社大学)およびアメリカ・メリーランド大学言語学コロキュアム(11月)において発表した。また、複合動詞の多用をも含めた日本語文法の特質を分析し、日英語の基本的相違を、句構造形成のプロセスに関わるパラメターによって説明する仮説を提示するに至った。この内容は、斎藤が第33回アメリカ北東部言語学会における招待講演(11月)の中で明らかにし、今後論文として発表する予定である。 言語獲得:昨年度と同様に、8月に、村杉、斎藤が、客員研究員としてオランダ・マックスプランク心理言語学研究所に二週問滞在し、同研究所の言語獲得研究グループと協同研究を行なった。また、昨年3月には、村杉がアメリカ・コネチカット大学言語学科において、日本語スクランブリングの獲得に関する研究発表を行ない、同大学の言語獲得研究者との協同研究を開始した。同大学では、大規模な言語獲得研究が行なわれており、これとタイアップした形でデータベースを作成し分析を遂行するために、南山大学においても言語学実験室を含む必要な設備・施設が整えられた。来年度から、この施設・設備を利用した本格的な研究を開始する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 斎藤 衛: "フェイズ理論と連鎖の循環的解釈"英語青年(研究社). 148・5. 274-278 (2002)
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[Publications] Mamoru Saito: "A Derivational Approach to the Interpretation of Scrambling Chains"Lingua (Elsevier Science B.V.). 113・4-6. 481-518 (2003)