2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13610668
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
斎藤 衛 南山大学, 人文学部, 教授 (70186964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村杉 恵子 南山大学, 外国語学部, 助教授 (00239518)
阿部 泰明 南山大学, 人文学部, 教授 (40159447)
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Keywords | スクランブリング / 比較統語論 / 移動現象 / 非演算子移動 / 句構造形成 / 併合 / パラメター / 言語獲得 |
Research Abstract |
本年度は、研究プロジェクトの最終年度であり、統語論、言語獲得の両領域において研究の成果を発表すると共に、今後の研究のさらなる展開に向けて準備を行なった。 統語論:(1)スクランブリングの比較研究:Gunther Grewendorf氏、Joachim Sabel氏、Zeljko Boskovic氏、宮川繁氏との共同研究をまとめ、Mouton de Gruyter社(ベルリン)から論文集を出版する準備を進めた。(2)日本語スクランプリングの特殊性に基づいて、より一般的な日本語文法の特質の解明をめざす研究:斎藤がNELS 33(アメリカ北東部言語学会機関誌)に論文を発表し、アメリカ言語学会夏期講座(ミシガン州立大学)において分析の詳細を講義した。(3)スクランブリングとの関係において、日本語の他の現象(Wh解釈や削除等)を捉え直す研究:斎藤が、第4回アジア理論言語学会(ソウル国立大学)および韓国現代文法学会国際シンポジウム(キョンプック国立大学)において、研究成果を発表した。(4)日韓語の詳細な比較研究、スクランブリングとヨーロッパ諸語の左方転移規則の文法的意味的相違をより明確にするための研究:Keun-Won Sohn氏、Dae-Ho Chung氏、Alessandra Giorgi氏、James Higginbotham氏との共同研究を開始した。 言語獲得:(1)データベースの作成:言語学実験室を中心に、コネチカット大学との共同プロジェクトである多言語データベース作成を継続して行なった。(2)スクランブリング獲得に関する実証研究:村杉がLanguage and Linguistics 5(台湾中央研究院発行)に論文を発表し、スクランブリングが極めて早い時期に獲得されるとする研究成果を公刊した。(3)日本語を規定するパラメターの獲得に関する研究:実証研究の準備をするとともに、村杉が7月に三週間アメリカに滞在し、Thomas Roeper氏との共同理論研究を開始した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Mamoru Saito: "On the Role of Selection in the Application of Merge"NELS(アメリカ北東部言語学会). 33. 323-345 (2003)
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[Publications] Mamoru Saito: "Japanese Scrambling in a Comparative Perspective"Peripheries (Kluwer Academic Publishers, Dordrecht). (予定). (2004)
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[Publications] Mamoru Saito: "Some Remarks on Superiority and Crossing"Generative Grammar in a Broader Perspective(Hankuk Publishing Company, Seoul). (予定). (2004)
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[Publications] Keiko Murasugi, Tomoko Kawamura: "On the Acquisition of Scrambling in Japanese"Language and Linguistics(台湾中央研究院). 5・1. 131-151 (2004)
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[Publications] Keiko Murasugi, Tomoko Hashimoto: "Two Different Overgenerations of 'no'in the Acquisition of Japanese"Generative Grammar in a Broader Perspective(Hankuk Publishing Company, Seoul). (予定). (2004)