2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本中世における裁判制度および裁判外紛争処理手続きに関する総合的研究
Project/Area Number |
13620011
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
植田 信廣 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (70125996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 安博 新潟大学, 法学部, 助教授 (90274414)
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Keywords | 中世 / 鏡倉幕府 / 紛争処理 / 和与状 / 裁許状 / 犯罪 / 刑罰 / 検断 |
Research Abstract |
今年度は、日本中世における紛争解決のあり方を実証的に研究するための前提作業として、主として『鎌倉幕府裁許状集』上巻のスキャナ入力によるテキストファイル化作業を進め、これを完成させた。現在、そのデータベースとしての検索システムおよびその公開の方法等につき検討中である。なお、同・下巻のテキストファイル化作業にも着手したところである。この作業と並行して、研究代表者は前近代中国における法文化の歴史に関心を広げ、本研究の副産物として武樹臣著『中国伝統法律文化鳥瞰』の日本語訳作業を完成させた。その成果は来年度中に刊行される予定である。 他方、研究分担者は、(1)昨年度に引き続いて、鎌倉幕府の裁判において和与(和解)の成立した際に作成される関係文書に関する整理および検討作業を進めた。また、(2)和与をめぐる裁判文書の基礎的史料群の原本に関する調査研究にも着手した。(1)については、和与をめぐる裁判手続のアウトラインを示すことが出来たが、この成果は研究論文「鎌倉幕府の裁判における和与関係文書に関する若干の検討」(二)〜(三・完)として公表した。(2)では、陽明文庫所蔵の丹波國宮田荘をめぐる裁判関係文書に関する整理・翻刻作業を進める一方、本間美術館所蔵の市河文書に関する詳細な原本調査を実施した。前者の成果については、研究報告書『前近代日本社会における「和解」の法史的意義に関する基礎的研究』として纏めたが、後者については来年度以降、その成果を纏めていく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 西村安博: "鎌倉幕府の裁判における和与関係文書に関する若干の検討--和与をめぐる裁判手続の理解のために--(二)"法政理論. 第35巻1号. 222-308 (2002)
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[Publications] 西村安博: "鎌倉幕府の裁判における和与関係文書に関する若干の検討--和与をめぐる裁判手続の理解のために--(三・完)"法政理論. 第35巻2号. 235-304 (2002)
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[Publications] 西村安博: "研究報告 前近代日本社会における「和解」の法史的意義に関する基礎的研究"新潟大学法学部西村研究室〔日本法文化論〕. (原稿提出印刷中). (2003)
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[Publications] 西村安博: "「書評 畠山 亮「中世後期に於ける暴力の規制について-戦国期喧嘩両成敗法の成立まで-」(『法学』第六十五巻第一号)・河野恵一「戦国大名毛利氏の喧嘩処理に関する一考察-『喧嘩両成敗法』の評価をめぐって-」(『法制史研究』五〇号)"『法制史研究』、創文社. 第52号(原稿受理印刷中). (2003)
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[Publications] 植田信廣: "入学試験と大学"新谷恭明・折田悦郎編『大学とはなにか』、海鳥社. 186-202 (2002)
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[Publications] 植田信廣: "書評・水林彪他編『新体系日本史2 法社会史』"『法制史研究』、創文社. 第52号(原稿受理印刷中). (2003)