2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ統合がイギリス公法に及ぼす影響に関する実証的・理論的研究
Project/Area Number |
13620026
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 眞澄 山口大学, 経済学部, 教授 (30314793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳井 健一 山口大学, 経済学部, 助教授 (30304471)
有田 謙司 山口大学, 経済学部, 助教授 (50232062)
藤田 達郎 山口大学, 教育学部, 教授 (10209059)
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Keywords | ヨーロッパ統合 / ヨーロッパ連合 / 超国家的法秩序 / ヨーロッパ公法 / イギリス公法 / イギリス憲法 / イギリス労働法 |
Research Abstract |
ヨーロッパ統合は、経済統合のヨーロッパ井同体(EC)からさらに政治的統合をも裡野に入れたヨーロッパ連合(EU)へと、量的・質的な拡大・深化を続けている。EUの性質上の特異さは、通常、超国家性(supranationalism)と認識されているが、その法的な持質はもはや「国際公権力」としての階級に至っている。したがって、加盟各国の国内的法体制にも多大の影響力を及ぼすこととなるが、とりわけ、硬性憲法を持たないイギリスの憲法・公法秩序とは深刻なコンフリクトを招来せずにはおかない。本研究は、こうしたヨーロッパ統合によるイギリス公法体制の変容状況を、多方面から研究しようというものである。初年度の本年度は、有田がエジンバラ、ロンドン等において関連資料の収集にあたったほか、外部からイギリス憲法の専門家を2名招聘して3日間にわたる合宿共同研究会を開催した。ここでは、アイルランド憲法とイギリス憲法との比較検討、イギリス移民・庇護法制の「ヨーロッパ化」、イギリス雇用契約法における信頼関保維持義務、ヨーロッパ公法の形成とイギリス憲法体制等の研究報告と質義応答を行った。また研究代表の鈴木が「EU/EC行政の形成と課題」という観点から、本研究会の前提的・基礎的な考察を行い、論文を公刊した。こうした研究業績を踏まえ、次年度以降は、具体的な事例の比較検証・研究を交えながら、現地調査、資料収集、共同研究会、論文の公刊等によって、さらに本研究会の課題を掘り下げていくこととなる。
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Research Products
(1 results)