2001 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ環境行政と企業の海外進出にともなう環境行政規制リスクの実証研究
Project/Area Number |
13620031
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
首藤 重幸 早稲田大学, 法学部, 教授 (00135097)
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Keywords | アメリカ環境法 / 連邦と州の管轄 / 懲罰的損害賠償 / 海外企業進出 |
Research Abstract |
今年度は、本研究課題の基礎であるアメリカ環境法の基礎的枠組みの整理をおこなう作業に集中した。そして、本研究対象である日本の進出企業による土壌汚染は、河川を通して二つの州に関係したため、この問題が連邦の管轄になったという特徴を有していることから、司法管轄や行政的規制権限についての連邦と州の管轄の関係についても検討をおこなった。そして、この研究課題の対象である具体的事件では、裁判において連邦が日本現地企業に対して懲罰的損害賠償を請求している。この点も、日本では考えられない事象であることから、この点の制度的理解についての検討もおこなった。このように今年度は基礎的研究に集中したことから、検討の内容を成果として発表することはできなかった。 さらに、研究対象の日本企業について、日本の本杜の法務担当者と何度かの研究会を持つことができたが、当該企業の主力が食肉部門であることから、「狂牛病問題」発生後は、研究会を実施することができなかった(2002年3月には、2回の研究会を予定)。しかし、数度の研究会からも、当該企業の法務担当者(顧問弁護士を含め)が、アメリカ法やアメリカ司法についての知識が不十分なことなどから、アメリカ現地の支社や弁護士と訴訟戦略についての意思疎通が極めて不十分との印象を受けた。この点は、2002年4月(もしくは5月)に予定しているアメリカでの現地調査で、その実態を把握していたいと考えている。
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