2002 Fiscal Year Annual Research Report
国際刑事裁判制度における国際法実現プロセス-多様化する裁判形態の比較研究
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13620038
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
古谷 修一 香川大学, 法学部, 教授 (50209194)
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Keywords | 国際刑事裁判所 / 戦争犯罪 / 国際法実現プロセス / ユーゴスラビア / ルワンダ / シエラレオネ / 東チモール |
Research Abstract |
本研究は、多様な国際刑事裁判の規程・手続規則の起草過程および旧ユーゴ国際刑事裁判所(lCTY)、ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)の決定・判決等の分析を通して、各裁判所が想定する国際法実現プロセスの詳細を検討した。 平成13年度は、(1)ICTY・ICTRの設置過程、ICCの設置に至る議論を詳細に分析することにより、国家を中心とした従来の国際法実現プロセスとは異なる個人への直接適用・執行を軸としたプロセスが現れてつつあることを実証した(「研究発表」欄の第2論文)。また、(2)オランダ出張によって得たICTYの国内実施立法に関する資料を素材として、国家の協力義務の性格について検討を行った。その成果はオランダ人研究者の編纂した論文集の一部として公表された(「研究研究発表」第2論文)。 平成14年度は、(1)シエラレオネ特別裁判所に関する国連・シエラレオネ間の協定、同裁判所規程の起草過程に関する安保理における議論、(2)東チモール裁判所に関するUNTAET(United Nations Transitional Administration in East Timor)のRegulation2000/15の起草過程、(3)ICTY・ICTRの決定・判決の分析、を通して国際刑事裁判所と国内裁判所の管轄権配分とそれを規律する原則に関する検討を行った。この結果、各裁判所は、その設置目的や関係国の状況に応じて、異なる管轄権配分の原則を採用し、制度的にほぼ同型であるICTYとICTRにおいてさえ複数の原則の間の優先順位が異なることを実証した。とりわけ、これまでの管轄権配分に関する議論が、"primacy"があるか否かといった単純な分析に終始し、配分決定過程が多段階的に存在する点を見逃してきていることを批判的な知見として得た。この研究成果は、英語論文としてまとめ、現在外国雑誌への投稿準備中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 古谷 修一: "国際法上の個人責任の拡大とその意義-国家責任法との関係を中心として"世界法年報. 21号. 82-109 (2002)
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[Publications] Shuichi Furuya: "Cooperation with States and Other Subjects of International Law"A.Klip and G.Sluiter eds., Annotated Leading Cases of International Criminal Tribunals. Vol.4. 224-229 (2002)