2001 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトな都市私法の構築―「都市における人と人の新たな絆」に対する私法による支援
Project/Area Number |
13620046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大村 敦志 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30152250)
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Keywords | 都市法 / 近隣関係 / 現代家族 / 団体活動 / 無償契約 |
Research Abstract |
本研究では、「都市に生きるということがもたらすいくつかの問題を、主として私法的観点から分析することを試みている。その対象となりうる法規範・法現象を広く「都市私法」と呼んでいるが、とりわけ、これまで必ずしも十分には研究のなされていない都市生活の「ソフトな側面」、「都市における市民生活のあり方」に焦点をあわせている。 上記の「都市私法」の概念は仮のものであり、その内包も外延も定まっていない。そこで、「都市私法」の名のもとに、研究対象とすべき事項を洗い出す(対象の範囲を確定し問題状況を明らかにする)ことがまず第一の課題となる。 本年度は主としてこのような作業を行った。さしあたり、近隣関係に関する問題(相隣関係、区分所有など)現代家族に関する問題(新しい家族の形態、高齢化・少子化など)各種の団体活動・奉仕行為に関する問題(生協・自治会・PTA、スポーツ=文化団体、市民運動、無償契約・事務管理など)などを念頭におきつつ、内外の関連文献の収集・検討に努めた。その際に、「ソフトな側面」だけでなく「ハードな側面も一定の程度まで考慮に入れる必要があったため、住居・安全・消費に関する問題も対象に含めた。 作業の成果はまとまった形で発表するには至っていないが、その部分は、1999〜2000年の期間に行った在外研究の結果を補充するために利用された(在外研究自体の結果は『フランスの社交と法』として公刊の予定である)。
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