2002 Fiscal Year Annual Research Report
サイバースペースでの知的成果物の保護と利用促進のためのシステム設計に関する研究
Project/Area Number |
13620049
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
土肥 一史 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 教授 (40099023)
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Keywords | サイバースペース / インターネット / ドメインネーム / 商標 / メタタグ / キーワード・バイ / 不正競争 |
Research Abstract |
サイバースペースでの知的成果物の保護と利用促進のための最適なシステム設計の研究のため、第2年度である平成14年度においては以下の研究を行った。なお、ここでの、知的成果物という語は広義の意味において理解している。 研究計画どおり、まずドメイン名の研究をほぼまとめた。この成果は、平成14年5月30日発行の、工業所有権法学会機関紙25号「特許制度のハーモナイゼーション」において、「ドメイン名の法律問題」として公表している。特別法を以ってこの問題に対応した米国、既存の国内法を以って対応した欧州各国のそれぞれの制度を比較検討し、不正競争防止法の改正で対応したわが国の規整の内容を分析し、この問題に含まれる様々な予想される問題類型を先の比較法的な検討から得た成果に照らし、その解決の方向性を示した。 さらに、研究計画に従い、サイバースペースでの商標の使用問題を検討し、この成果は、平成14年7月15日発行の、ジュリスト1227号において「ネットワーク社会と商標」という論文により公表した。技術の進展に伴い新たに商標との関係が問題となる、メタタグ、キーワード・バイ、あるいはバナー広告の問題は結局は国内法の解釈の問題であるが、ネットワークでの商標の使用は渉外的な紛争を伴いやすいため、ここでの問題の考え方の方向性を示すものである。残している問題としては、WIPOの"Recommendation Concerning The Protection of Marks, and Other Industrial Property Rights in Signs, on the Internetの日本国の商標法及び不正競争防止法との整合性、適合性を十分精査する必要があると感じている。ただ、この渉外関係の問題は来年度研究対象とする、著作物と評価されるコンテンツのインターネットでの取引においても、より複雑な形で検討が求められるので、この点は次年度においても引き続き検討することとしたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 土肥一史: "ドメイン名の法律問題"日本工業所有権法学会年報. 25. 11-35 (2002)
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[Publications] 土肥一史: "ネットワーク社会と商標"ジュリスト(JURIST). 1227. 26-32 (2002)
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[Publications] 土肥一史: "知的財産法入門(第5版)"中央経済社. 341 (2002)