2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13620087
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
真渕 勝 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70165934)
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Keywords | 中核予算 / プログラム予算 / 特別会計 / 一般会計 / ダンレヴィ(Dunleavy) |
Research Abstract |
本年度は特別会計の分析を中心に行った。 現在,特別会計は,36種類存在する。それぞれの設立経緯や実際に果たしている役割も多様である。しかし,本研究の問題意識からすれば,全ての特別会計の種類・性格を定性的に記述する必要はなく,一般会計からの繰り入れが行われている特別会計について,(1)省庁が"財布"を別においているだけなのか,それとも(2)他組織への財政移転なのか,を峻別すれば足りる。 特別会計は,一般会計とは独立した会計をたてた方が財政状況の把握が容易になり効率的運営が図られる場合に,法令によって設置されるものである。しかし,その機能は,他と区分可能な事業について,歳入・歳出を明確化・透明化させるための役割だけを有するものもあれば,事実上,他の組織等への財政移転を行うプラットフォームとしての機能を果たしているものもある。前者の場合,各省庁が特別会計を便宜的に一般会計の枠の外においているだけの話(「外の財布」)であり,実際には,一般会計と特別会計は,ともに省庁自らの運営のために直接支出する経費に関する点では差異はない。しかし,後者の場合,特別会計は便宜的な「外の財布」と捉えることができないのである。 そこで,一般会計から特別会計への繰り入れが「中核予算」あるいは「プログラム予算」と捉えるのかを判別する基準が必要となる。種々検討の結果、判別基準としては,各特別会計の歳出全体に占める人件費の割合が一定程度を越えているかによって判別することにした。次ぎに,人件費が特別会計の総歳出額の何%以上であれば,「外の財布」として取り扱うかであるが、一般会計の総歳出額に占める人件費の割合を目安として,5%以上と設定した。 以上の検討と手続きに従って、各省の一般会計から,登記特別会計、国立学校特別会計、国立病院特別会計、国有林野事業特別会計、特許特別会計、自動車検査登録特別会計(運輸省一般会計からの繰り入れ)次の6つの特別会計に繰り入れがなされている場合,ダンレヴィーのいう「中核予算」として取り扱うことにした。上記6つ以外の特別会計に繰り入れがなされている場合,ダンレヴイーのいう「プログラム予算」として取り扱うことにした。
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Research Products
(1 results)