2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13620093
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
山田 満 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (50279303)
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Keywords | 東ティモール / 国民統合問題 / 国家建設 / 開発政策 / 教育政策 / 平和構築 / 言語問題 / 復興・開発支援 |
Research Abstract |
東ティモールは2002年5月20日の独立に向けて準備を進めている。本研究が開始された平成13(2001)年には、独立の前提条件となる憲法制定のための議会議員選挙が8月30日に行われた。研究代表者はこの選挙実施時に現地に入り、国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)関係者、立候補者を擁する主要政党関係者、非政府組織(NGO)関係者、有識者を含む市民に聞き取り調査を行った。調査結果から、自由で民主的な選挙が実施されることは確実であった。 また、直接的に国家建設および国民統合に影響を及ぼすインドネシア領西ティモールとの国境地帯であるコバリマ地区スアイに行った。散発的にPKFを担当しているニュージーランド軍と旧インドネシア統合派民兵との衝突が伝えられていたが、現状は旧統合派と独立派との民族和解会議などが開催され、最後まで帰還を遅らしていた難民も戻りはじめ、東ティモールの安全保障上の問題は相当程度改善されてきていることがわかった。 本研究課題の2つの視角である「開発政策」および「教育政策」から東ティモールの国家建設・国民統合の現状について言及したい。「開発政策」に関しては、2001年1月に首都ディリで「東ティモールの持続可能な開発に関する会議」が開催され、92年のリオで行われた国連環境開発会議でだされたアジェンダ21が参考にされ、今後の東ティモールの開発政策の指針とされた。また、「教育政策」に関しては、まずは教育インフラの復興が第一義的課題であるといえる。しかし、地方における現地語(テトゥン語)やインドネシア語の普及度と公用語のポルトガル語との今後の「教授用語」をめぐるトラブルが顕在化されのは確実と思われる。次年度(独立)以降の調査が重要になると考える。
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Research Products
(2 results)