2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13620096
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
日暮 吉延 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (30253917)
|
Keywords | 戦争犯罪 / 東京裁判 / 日本占領 / 国際政治 / 戦後日本 / 日米関係 / 外交 |
Research Abstract |
本年度は、研究期間の初年度であり、それゆえ研究活動の重点は、当然のことながら、もっぱら公刊・未公刊一次資料の集中的な調査収集に置かれた。その実績は次の通りである。 まず公刊文書については、アメリカ外交文書集(Foreign Relations of the UnitedStates)の一部を収集した。また未公刊文書については、第一に、米国立公文書館の国務省文書や英公文書館の外務省文書の収集を部分的に開始した。第二に、本年度において、より重点的に調査したのは、日本側の関連未公刊文書である。すなわち、東京への出張調査によって、外務省外交史料館において公開まもない条約局法規課『平和条約の締結に関する調書』の全文を入手した。さらに、靖国偕行文庫所蔵の旧陸軍関係資料の調査を行い、次年度以降も継続予定である。 これらの資料は、まことに貴重な情報を有しており、今後の分析作業を通じて、本研究課題の解明に大いに貢献するものとなるであろう。重要な諸資料は東京に集中するため、本来、南九州などという遠隔地にあることは不利な条件に他ならず、その閲覧は容易ではなく、果たして政治史研究の先端的な水準から大きく立ち遅れることとなろう。しかし本研究助成によって、資料の効率的な調査収集が可能となったため、今後、確かな研究成果の実現が期待できると考える。 なお2001年には本研究課題の全体像をいわば予告的に素描した論文が、伝統ある学会誌であるアメリカ学会編『アメリカ研究』において審査のうえ採択され、掲載された。次年度以降は、こうした基礎的成果を踏まえて、さらなる資料収集と逐次整理・検討作業を継続させていく予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 日暮吉延: "『正義』と『慈悲』--講話後の戦犯釈放と日米関係"アメリカ学会編『アメリカ研究』. 35号. 135-154 (2001)
-
[Publications] 日暮吉延: "パリ講和会議と開戦責任(一)"法律時報. 2001年7月号(扉). (2001)
-
[Publications] 日暮吉延: "パリ講和会議と開戦責任(二)"法律時報. 2001年8月号(扉). (2001)
-
[Publications] 日暮吉延: "A級戦犯容疑者の釈放と元閣僚裁判"法律時報. 2002年1月号(扉). (2001)