2002 Fiscal Year Annual Research Report
経済金融工学的アプローチによる不動産価格形成メカニズムの研究
Project/Area Number |
13630012
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 良平 岡山大学, 経済学部, 教授 (20172463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高塚 創 香川大学, 経済学部, 助教授 (50304572)
川口 有一郎 明海大学, 不動産学部, 教授 (30245162)
瀬古 美喜 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (60120490)
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Keywords | 期待形成 / バブル期 / mixed logit model / ミクロデータ / 不動産開発 / リアルオプション / 最適開発タイミング / ブラウン運動 |
Research Abstract |
首都圏の新築マンションのマクロ統計データを用いて、バブル期からバブル崩壊の過程で人々の期待がどのように変化してきたかを定式化し、実証分析をおこなった。(中村) 日本とドイツの住宅需要の国際比較を、ミクロ計量経済学的手法に基づいて行った。具体的には、mixed logit modelを用いて、両国間の相違を、選好と社会人口学的特性の相違に分離して分析した。また、わが国の住宅市場の特徴と問題点を探り、現行の不動産税制が住宅市場に与えている影響を明らかにすることによって今後の住宅・土地政策の方向性を探った。(瀬古) リアルオプション・アプローチにより、不動産土地開発事業、ビルの建て替え事業、および再開発事業などを評価し、賃料キャッシュフローおよび不動産価格のキャピタルゲインのリスク分析を可能にする分析的な枠組みを不動産金融工学的な視点から与えた。特に、不動産開発における開発タイミング、工期短縮、売却タイミングをリアルオプションのモデルを与えた。これにより、不動産開発事業におけるキャピタルゲインがStagingの複合リアルオプションとして捉えることが可能となった。次に、不動産証券のヘッジングと価格評価の一般モデルを開発した。不動産市場、空間市場(賃貸市場)のリスクを証券市場に持ち込むことで既存の市場モデルを拡張し、不動産の価格や賃料の上に書いた派生証券(不動産証券)の新しい価格評価モデルを開発した。(川口) ある種の最適投資問題は、応用確率解析の分野で研究されてきた「最適停止問題」に帰着することができる。今年度は、状態変数が幾何ブラウン運動に従う場合の、解の存在条件を導出した。導出された条件は、確実性下における通常の「二階の条件式」の自然な拡張になっており、「不確実性の増加は投資を遅らせる」という近年の投資理論におけるよく知られた結果に対し、本質的な関係にあることが明らかになった。また、これらの結果を、Clarke and Reed (1988)タイプの最適土地開発モデルに応用し、厳密性と一般性を与えた。(高塚)
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Research Products
(16 results)
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[Publications] 中村良平, 森田 学: "新規マンションの供給価格変化における期待の効果"季刊:住宅土地経済. 47. 26-34 (2002)
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[Publications] 中村良平, 竹下俊彦: "資産運用物件における可変リスクプレミアムの検証"平成14年全国大会・不動産学会梗概集. 18. 89-92 (2002)
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[Publications] 瀬古 美喜: "高齢化世帯の住み替え行動"季刊:住宅土地経済. 40. 10-18 (2001)
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[Publications] 瀬古 美喜: "土地課税が住宅市場に与える影響"都市問題. 92. 55-67 (2001)
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[Publications] Miki Seko, Axel Borsch-Supan, Florian Heiss: "Housing Demand in Germany and Japan : Paper in Memoriam of Stephen Mayo"Journal of Housing Economics. 10. 229-252 (2001)
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[Publications] 瀬古美喜, 三好向洋: "地価の乱高下が居住形態選択に与える影響の経済分析"三田学会雑誌. 95. 253-261 (2002)
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[Publications] Miki Seko: "Nonlinear Budget Constraints and Estimation : Effects of Subsidized Home Loans on Floor Space Decisions in Japan"Journal of Housing Economics. 11. 280-299 (2002)
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[Publications] Cho, Kawaguchi, Shilling: "Unsmoothing Commercial Property Return"Journal of Real Estate Finance and Economics. (forthcoming). (2003)
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[Publications] Otaka, Kawaguchi: "Hedging and Pricing of Real Estate Securities under Market Incompleteness"MTEC Journal. 15. (2003)
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[Publications] Hajime Takatsuka: "Existence Conditions of the Optimal Stopping Time : The Cases of Geometric Brownian Motion and Arithmetic Brownian Motion"Working Paper Series, The Institute of Economic Research, Kagawa University. No.12. (2003)
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[Publications] 瀬古 美喜, 黒田 達朗(共訳): "都市と不動産の経済学"創文社. 477 (2001)
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[Publications] 瀬古美喜 日本不動産学会編: "『不動産学事典』(14-4不動産市場の計量分析 2.住宅市場)"住宅新報社. 507-509 (2002)
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[Publications] 中村良平 日本不動産学会編: "『不動産学事典』(14-8不動産価格の計量分析)"住宅新報社. 524-529 (2002)
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[Publications] 瀬古美喜(刈屋武昭・藤田昌久編): "『不動産金融工学と不動産市場の活性化』ジャレフ・ジャーナル2003(2.床面積規制を伴う住宅政策の経済分析)"東洋経済新報社. 17-26 (2003)
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[Publications] 中村良平(刈屋武昭・藤田昌久編): "『不動産金融工学と不動産市場の活性化』ジャレフ・ジャーナル2003(5.不動産価格指数と市場効率性)"東洋経済新報社. 97-124 (2003)
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[Publications] 川口有一郎(刈屋武昭・藤田昌久編): "『不動産金融工学と不動産市場の活性化』ジャレフ・ジャーナル2003(9.不動産開発事業のためのダイナミックDCF法とリアルオプション評価モデル)"東洋経済新報社. 183-208 (2003)