2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13630044
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
根本 敏則 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (90156167)
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Keywords | 情報通信技術 / ロジスティクス / 物流 / 環境 / インターネット / ITS / 外部不経済 |
Research Abstract |
インターネットを通じた商取引が浸透し始めている。消費者から受けた注文は、宅配便により配送し、クレジットカードもしくは代金引換により決済することができる。このような取引形態が増加すればこれまで生産者と消費者との間で、情報、物、金の流れを仲介していた卸売業、小売業、輸送業、倉庫業、銀行業、保険業が大きな影響を受ける。 本研究は情報通信技術がロジスティクスに及ぼす影響の分析、評価を行うことを目的としているが、13年度は文献サーベイを中心に仮説の構築を行った。 その結果、荷主企業は製造、営業など本来の業務以外の輸送、保管、包装といったロジスティクス活動を外部の物流専業者にアウトソースすることが大きな流れとなっていると思われる。物流業者の中にも単なる輸配送業務の請負からEDIなどの情報システムの提供や保管業務、キャリアの選択や管理業務などの物流業務全般、そのコンサルティングを請負うサードパーティ・ロジスティクスへ、その業務の多様化を図る事業者が出てきている。 それらを背景として、情報通信技術のうちインターネット関連技術は、新しい取引形態、ロジスティクス活動を創出し、所得の増加、雇用機会増をもたらすが、一般に輸送に負荷のかかる取引形態となるため、道路交通には混雑、大気汚染などの負の影響があると考えられる。しかし、情報通信技術のうちITS(Intelligent Transport System)関連技術は貨物、車両、運転手の効率的管理を可能とし、もってロジスティクス高度化が図れる。混雑、大気汚染に関しては正の影響が考えられる。今後、これら正負の社会的影響の強さを実証的に明らかにしていくことが必要である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Toshinori NEMOTO: "Toward Efficient and Environmentally-friendly Logistics in Asia"『21^<st> Century Asia-Economic Restructuring and Challenges of Mega-cities』(Institute for Economic Research, Osaka City University、共著)に16章として所収. 221-228 (2001)
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[Publications] J.Visser, T.Nemoto, J.Boerkamps: "E-commerce and City Logistics"City Logistics II、Institute of Systems Science Research, Kyoto. 35-66 (2001)
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[Publications] T.Nemoto, J.Visser, R.Yoshimoto: "Impacts of Information and Communication Technology on Urban Logistics System"Faculty of Commerce and Management, Hitotusbashi Univ, Working Paper. No.65(未定). (2001)
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[Publications] 根本 敏則, 梶 太郎: "メコン河流域における効率的国際物流の実現"道路交通経済. 第98号. 28-35 (2002)
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[Publications] T.Nemoto, K.Tezuka: "Advantages of Third-Party Logistics in Supply Chain Management"Faculty of Commerce and Management, Hitotusbashi Univ, Working Paper. No.72(未定). (2002)