2003 Fiscal Year Annual Research Report
米国におけるジョブマッチングの男女差のライフサイクル仮説
Project/Area Number |
13630047
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
大森 義明 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (10272890)
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Keywords | ジョブマッチ / ジェンダー |
Research Abstract |
結婚、出産、育児、夫の転職による地域間移動等によるキャリアの中断は、単に女性労働者の人的資本を磨耗させるだけでなく、良質なジョブマッチを喪失させることを通じて、労働所得の喪失をもたらすであろう。予期されるキャリアの中断も、人的資本への投資を控えさせるだけでなく、ジョブマッチングヘの投資(転職)をも控えさせるであろう。女性の人的資本投資への本格的な投資とそれに伴う労働所得の急成長は、将来、キャリアの中断がないと予想される時点から始まるという、いわゆる人的資本投資のリバウンド現象については、既存の実証研究(Mincer and Polacheck 1974, Stafford and Sundstrom 1996等)により、その存在が明らかにされている。本研究は、同様なリバウンド現象がジョブマッチングヘの投資(転職)に存在することを実証した。 今年度は、まず、昨年度に研究成果の中間報告を日本経済学会(小樽商科大学)で発表した際に得た貴重なコメントを活かし、論文の完成度を増す努力をした。その上で、Western Economic Association Internationalの第78回年次大会(米国、デンバー市)で研究成果を発表し、類似の研究をしている他の研究者による研究発表の討論者をする等の研究交流をした。そして、学会で得たコメントや、討論から得たアイディアを活かし、論文の完成度を増す更なる努力を重ね、レフェリー制の国際的な学術誌に論文を投稿した。今年度の研究から得られた最大の知見は、結婚、出産、育児に関する詳細な説明変数(婚姻状態、配偶者の所得、年齢別の子供の数等)がモデルから脱落することによって生じる推定バイアスが大きいということである。
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