2001 Fiscal Year Annual Research Report
1930年代日本の経済統制をめぐる業界団体と労働組合
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13630085
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平沢 照雄 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (70218775)
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Keywords | 経済統制 / 労働組合 / 労働協約締結運動 / 産業協力運動 / 1930年代 / 電球工業 / 電球ガラス工業 / 工業組合 |
Research Abstract |
本研究は、1930年代日本の電球工業およびその関連部品産業である電球ガラス工業における経済統制の展開過程で、業界団体(工業組合)と労働組合がそれぞれ果たした役割について、多面的かつ歴史実証的に検討することを目的としたものである。この目的にそう形で、研究の1年目にあたる本年度は、特に以下の資料調査と収集を重点的に行った。 第1は、電気機械工業や化学工業などにおける社史および業界団体史の調査と収集を精力的に行うことである。それを通じて、電球および電球ガラス工業をとりまく当時の業界の状況ならびに関連する企業や業界団体の活動をより鮮明にすることが可能となった。 第2に、関連産業の労働組合史の収集も精力的に行った。またそれと並行して、電球および電球ガラス工業における労働組合の活動実態や産業協力・団体協約運動に関する当時の1次資料等の調査・収集も行なった。特に後者に関しては、本研究の計画段階では想定していなかった関西地域の組合(大阪電球労働組合)活動に関する資料をも、未だ断片的ではあるが、発見することができた。この成果を受けて来年度は、この資料の分析にも力を入れることで、関東地域のみならず関西地域も含めた当該期における労働組合活動の実態の解明を試みることにしたい。 第3として、中小工業分野に属する電球および電球ガラス工業との比較研究の観点から、大工業分野(製綱業)で同様にみられた労働協約締結運動や産業協力・団体協約運動に関する資料の調査と収集を行った。もっとも、本年度は、上記電球および電球ガラス工業の資料調査と収集に重点をおいたことから、さらなる調査の展開は来年度の課題としたい。とはいえ、本年度においても、製綱労働組合創立事情に関する貴重な資料を発見するなど、一定の成果をあげることができた。
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